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アスベストが健康に与える影響とは?被害を防ぐために重要な分析の役割を解説

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アスベストとは?健康への影響が問題視される理由

アスベストとは、天然に産出する繊維状鉱物の総称で、日本語では石綿と呼ばれます。非常に細くしなやかな繊維構造を持ち、耐火性、断熱性、防音性、耐薬品性に優れていることから、かつては建築材料や保温材、吹付け材、成形板など幅広い用途で使用されてきました。特に2006年以前に着工された建築物や工作物では、アスベスト含有建材が使われている可能性が高いとされています。

アスベストが問題視される最大の理由は、健康への深刻な影響です。アスベスト繊維は肉眼では確認できないほど微細で、建材が劣化したり、解体や改修工事によって破砕されたりすると、空気中に飛散しやすくなります。この繊維を吸い込むことで肺の奥深くまで到達し、体外に排出されにくい状態で長期間残留します。アスベストそのものが存在しているだけでは直ちに危険とは言えませんが、飛散し、吸入されることで健康被害が生じる点が深刻な問題です。

アスベストによる健康被害は、ばく露から数十年間に及ぶ長い潜伏期間を要することが多く、早期発見が難しいとされています。代表的な疾患には、肺がん、中皮腫、石綿肺、胸膜プラークなどがあります。中皮腫は肺や心臓を覆う中皮に発生するがんで、原因の多くがアスベストばく露とされています。石綿肺は繊維が肺に蓄積し、肺が線維化して呼吸機能が低下する疾患です。これらの病気は完治が難しく、予後が厳しいケースも少なくありません。

こうした健康被害を防ぐため、日本では労働安全衛生法や大気汚染防止法などに基づき、アスベストの使用禁止や飛散防止対策が講じられています。現在、新たな使用は原則禁止されていますが、既存建築物に残存するアスベストのリスクは解消されていません。そのため、建築物の解体や改修を行う際には、事前にアスベストの有無を事前に調査することが義務付けられています。

アスベストばく露によって起こる主な健康被害

アスベストばく露による代表的な健康被害の一つが、石綿肺です。これは長期間にわたりアスベストを吸入した結果、肺の組織が線維化し、弾力性を失う疾患です。初期には息切れや乾いた咳といった軽微な症状から始まりますが、進行すると呼吸困難が慢性化し、日常生活にも支障をきたします。一度線維化した肺は元に戻ることが難しく、進行抑制を目的とした長期的な治療が必要になります。

次に問題となるのが、悪性中皮腫です。これは肺や腹部の内側を覆う中皮に発生するがんで、発症原因の多くがアスベストばく露とされています。ばく露から発症まで20年以上を要する例も珍しくなく、胸痛や呼吸困難などの症状が現れた時点ではすでに進行しているケースが多いとされています。少量や間接的なばく露でも発症する可能性がある点が、特に深刻な問題です。

さらに、肺がんもアスベストばく露による重要な健康被害の一つです。アスベスト繊維が長期間肺を刺激することで、がん化のリスクが高まると考えられています。喫煙との相乗作用が指摘されており、両者が重なることで発症リスクが大きく上昇するとされています。潜伏期間は15年から40年程度とされ、早期発見が難しい疾患であるといえます。

健康被害を防ぐためにアスベスト分析が重要な理由

アスベストによる健康被害は、肺がんや悪性中皮腫、石綿肺など、いずれも重篤で治療が困難な疾患が中心です。これらの疾患は、アスベストを吸入してから発症までに十数年から数十年という長い潜伏期間を要することが多く、ばく露の事実に気付いた時にはすでに取り返しがつかない段階に進行しているケースもあります。このような特徴から、健康被害を防ぐためには「発症後の対応」ではなく、「ばく露させないための事前対策」が不可欠となります。

その事前対策の中核を担うのが、アスベスト分析です。解体や改修工事の際、対象となる建材にアスベストが含まれているかどうかを正確に把握することで、飛散防止措置の要否や作業方法を適切に判断できます。分析を行わずに工事を進めた場合、想定外のアスベスト飛散が発生し、作業者だけでなく周辺住民や施設利用者にまで健康リスクを及ぼす危険性があります。

また、アスベスト分析は法令遵守の観点からも重要です。現在では、延べ床面積 80㎡以上の解体工事や請負金額が100万円以上の改修工事においては事前調査と結果の報告が義務付けられており、分析結果は工事計画の判断根拠となる重要な資料として扱われます。不十分な調査や誤った判断は、法令違反にとどまらず、工事の中断や追加対策によるコスト増加を招く要因となります。正確な分析を行うことは、健康被害の防止と同時に、事業上のリスク管理にも直結しています。

アスベスト分析を行わずに工事を行った場合のリスク

解体や改修工事では、アスベストの事前調査と必要に応じた分析が義務付けられており、これを怠った場合は罰金などの行政処分の対象となります。故意ではなく単なる失念であっても違反と判断されるため、工事関係者にとっては大きなリスクとなります。また、虚偽の報告や無資格者による判断が発覚した場合、工事の停止命令や是正指導を受ける可能性もあります。

さらに、分析を行わなかったことで工事計画そのものが破綻するリスクも無視できません。工事途中でアスベスト含有が判明した場合、作業は中断され、追加調査や対策工事が必要となります。その結果、工期の大幅な遅延や想定外の費用増加が生じ、発注者と施工者の双方にとって大きな負担となります。場合によっては、契約トラブルや損害賠償問題に発展する可能性もあります。

加えて、周辺住民や利用者への影響も重要な観点です。アスベストが飛散すると、工事現場外にもばく露リスクが及び、近隣からの苦情や信頼低下につながります。一度失われた信頼を回復することは容易ではなく、企業や事業者の社会的評価に悪影響を及ぼします。

健康リスクを踏まえたアスベスト分析の依頼時のポイント

まず確認すべきなのは、分析が2023年までに施行された大気汚染防止法や石綿障害予防規則に沿った手順で実施されるかどうかです。解体や改修工事では、事前調査の結果に基づき、必要に応じて分析を行うことが求められています。分析を省略したまま工事を進めると、アスベスト飛散による健康被害だけでなく、行政指導や罰則の対象となる可能性があります。

次に重要なのは、分析対象の選定です。建材の一部だけを安易に採取した場合、含有部分の見落としにつながるおそれがあります。仕上塗材や成形板のように複数の層で構成される建材では、層ごとに確認が必要になる場合があります。どの部位を分析対象とするかについて、現地調査の結果を踏まえた説明がなされているかを確認することが重要です。

また、分析方法がJIS規格に基づいているかどうかも、依頼時の重要な判断材料となります。偏光顕微鏡法などの公定法により分析されることで、アスベストと類似した繊維状鉱物を正確に区別することができ、不要な不安や過剰対策を避けることにつながります。分析結果についても、健康リスクの観点からどのような対応が必要となるか適切な説明を受けられる体制が整っていることが望まれます。

さらに、報告書の内容と保存を前提に考えることも欠かせません。分析結果は工事計画や作業基準の根拠となり、3年間の保存が義務付けられています。後日確認できるよう、調査の経緯や分析条件が整理されているかを確認する必要があります。

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