アスベスト分析の報告とは?報告書の見方・報告の流れ・注意点までわかりやすく解説
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アスベスト分析の報告とは?
まず、アスベスト分析報告書の役割を理解することが大切です。この報告書は、預かった検体に対して公定法で分析を行い、アスベストが含まれているかどうかを客観的に証明するものです。分析結果によって、除去や封じ込めといった対策が必要か、あるいは通常の工事が可能かが判断されます。また、事前調査結果の判断根拠の資料として、行政への説明や将来に備えた記録の保存にも用いられます。
報告書の上部には、基本情報が記載されます。試料受付日や分析期間は、いつの時点で分析が行われたかを示す項目です。工事計画との時系列を確認するためにも重要です。試料名称や採取場所には、どの施工部位から採取した検体なのかが記載されます。
複数箇所で分析を実施している場合、これらの情報が一致していないと誤った判断につながる可能性があるため、必ず依頼内容と照合する必要があります。試験方法としてJIS A 1481-1などの記載がある場合、日本産業規格に基づいた分析が行われたことを意味します。
次に確認すべきなのが、報告書の中心となる分析結果です。建材は塗装や下地など複数の層で構成されていることが多く、報告書には層別に材質や色調が記載されている場合があります。これは、どの層にアスベストが含まれているかを明確にするためです。結果欄には「検出」または「不検出」といった表現が用いられ、検出と記載されている場合は、その検体からアスベストが確認されたことを示します。不検出であれば、分析条件下ではアスベストが確認されなかったことを意味します。
アスベスト分析の報告書の基本構成
報告書の冒頭には基本情報が配置されます。ここには、試料受付日や試験期間が記載され、いつの時点で分析が行われた結果であるかの確認が可能です。また、試料名称や採取場所も重要な項目です。建物内のどの施工部位から採取した検体なのかを示す情報であり、複数箇所を分析している場合は、この部分を確認しなければ精密な分析結果を取り違えるおそれがあります。あわせて、試験方法としてJIS A 1481-1などの規格番号が記載されている場合、分析が公定法に基づいて実施されたことを示されます。
次に、報告書の中心となるのが試験結果の項目です。ここでは、分析対象となった建材の層構成が示される場合があります。仕上塗材や下地材など、複数の層がある建材では、どの層を分析したかが明示されます。定量分析を行った場合には、アスベスト推定含有率が記載され、含有率が0.1%を超えているかどうかを判断する材料となります。定性分析の結論として、「検出」または「不検出」が記載される点も重要で、この表記がアスベスト対策の要否を左右します。
さらに、報告書の下部には詳細情報がまとめられます。アスベストが検出された場合は、クリソタイルなど具体的な石綿鉱物の種類が具体的に記載されます。種類の特定は、除去工法や管理方法を検討するうえで参考になります。また、偏光顕微鏡写真が添付されることもあり、分析結果の客観的な根拠として位置付けられます。
アスベスト分析結果報告の流れ
最初の段階は、アスベスト事前調査の依頼です。建築物や工作物の解体・改修工事を行う場合、原則として有資格者による事前調査が必要になります。発注者や元請事業者は、専門知識を有する調査者に依頼し、適切な調査体制を整える必要があります。
次に行われるのが書面調査です。発注者側で保管されている建築確認申請書、設計図書、特記仕様書などの資料を確認し、建材の使用年代や仕様からアスベスト含有の可能性を整理します。ここで、明らかにアスベストが使用されていないと判断できる場合もありますが、多くのケースでは次の目視調査へ進みます。
目視調査では、実際に建物を確認し、建材の種類や状態を確認します。2006年以前に建設された建築物では、アスベスト含有建材が使用されている前提で事前調査を進める必要があります。目視だけで判断できない場合は、分析調査を検討し試料採取を行います。
試料採取は、対象となる建材の一部を採取する工程で、粉じんの飛散防止措置を講じたうえで安全に実施します。採取した試料は分析機関へ送付され、JIS A 1481に基づく分析が行われます。偏光顕微鏡法などにより、アスベストの有無や種類が判定されます。
分析結果が得られた後は、調査報告書の作成に進みます。報告書には、調査方法、分析結果、検出の有無などが整理され、工事におけるアスベスト対策の要否を判断する資料となります。この内容をもとに、延べ床面積 80㎡以上の解体工事や請負金額が100万円以上の改修工事では条件に該当する工事では、行政への事前調査結果報告が必要になります。
アスベスト分析報告でよくあるミスと注意点
代表的な誤りとして、建築物の建設時期や対象工事の区分を誤って記載してしまうケースが挙げられます。特に建設時期については、解体や改修工事の竣工日を記載してしまう例が見られます。本来は、建築物が新築着工された当時の時期を記載する必要があります。資料が残っていない場合は、不明としたうえで推定時期を補足するなど、正しい扱いが求められます。
次に注意すべきなのが、みなし判定に関する誤解です。分析を行っていないにもかかわらず、図面や経験則だけでアスベスト非含有と判断し、目視調査を省略してしまう例があります。分析結果や判断根拠の裏付けがない状態で非含有と判断することはできず、みなし判定を行う場合でも、行政への報告義務や飛散防止措置は免除されません。「アスベスト非含有であるとみなす」ことはできず、あくまでも建材の特定等ができず結果が不明な場合に、アスベスト含有建材であるとの前提で工事を進めることを「みなし」と言います。
発注者が過去に事前調査を実施していた場合、元請業者が改めて事前調査や行政への報告を行わなかったという認識の誤りが見受けられます。事前調査および分析結果の確認と報告は、元請業者側の責任です。過去の資料が手元にある場合でも内容を精査し、今回の工事範囲に適合するかを確認したうえで判断しなければなりません。
また、工事規模や請負金額に関する誤解も多くみられます。請負金額が少なく、作業範囲が限定的であるといった理由から、分析や行政への報告が不要と判断されることがあります。石綿障害予防規則では、解体や改修工事の規模にかかわらずすべての建築物及び工作物の事前調査が必要です。延べ床面積 80㎡以上の解体工事や請負金額が100万円以上の改修工事では一定条件に該当すれば、分析結果を含む事前調査結果も行政への報告義務があります。
さらに、行政への報告後に、記録保存を失念してしまうケースもあります。分析結果報告書や事前調査の記録は、工事期間中の備え置きや工事終了後の3年間の保存が義務づけられています。提出した時点で終わりと考えず、保存義務まで含めて対応しなければなりません。
アスベスト分析結果報告書の活用方法
報告書には、どの建材にアスベストが含まれているか、または含まれていないかが明確に示されています。この情報を基に、アスベスト含有建材がある場合は、除去や封じ込めなど適切な対策を講じた工事計画を立てることができます。一方、不含有と判定された場合は、過剰な対策を避け、工期や費用を抑えた施工が可能となります。
次に、行政への手続きについてです。延べ床面積 80㎡以上の解体工事や請負金額が100万円以上の改修工事では、事前調査結果の報告が義務付けられており、分析結果報告書はその根拠資料となります。調査結果を正確に示すことで、届出内容の信頼性が高まり、行政指導や是正を受けるリスクを低減できます。また、報告書は保存義務の対象となるため、工事完了後も適切に保管することが重要です。
建物の売買や賃貸などの不動産取引においても、分析結果報告書は有効に活用できます。アスベストの有無が明確になっていることで、取引時の説明責任を果たしやすくなり、後日のトラブル防止につながります。また、買主や借主にとっても、建物の安全性を判断する材料になります。
さらに、見積や費用算定への活用も重要です。アスベスト含有の有無や範囲が明確であれば、除去費用や対策費用を正確に算出できます。これにより、工事開始後の追加費用発生を防ぎ、発注者と施工者の認識のずれを減らすことができます。
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