産業廃棄物の処理方法を正しく理解|事業者の役割と法規制・適切な対策を解説
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産業廃棄物の処理の流れ
産業廃棄物は事業活動に伴って発生し、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、廃掃法)」に基づき排出事業者自身の責任で適正に処理することが定められています。しかし実際には、自社で収集運搬から最終処分までのすべての行程を行うのは難しいため、許可を持つ専門業者へ委託するのが一般的です。
排出事業者が分別・排出した産業廃棄物は、委託を受けた収集運搬業者によって中間処理施設や最終処分場に運ばれます。運搬には廃棄物の性質に応じた専用の車両や容器が使用され、飛散や流出を防ぐ工夫が求められます。
その後、中間処理施設で選別・破砕・焼却・脱水などの処分が行われ、減量化や安定化が施されます。ここで選別された資源が再利用されることにより、廃棄物量の削減にもつながります。最終的にリサイクルできないものは、管理型や安定型の最終処分場で埋め立てられ、周囲に影響を及ぼさないよう安全に処理されます。
排出事業者は、処理を委託する都度に、廃棄物の種類や数量、委託先の情報を記載した「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」を交付し、委託した処理の工程を管理します。収集運搬業者や処分業者は、マニフェストに必要情報を追記し、運搬完了や処理完了を証明する控えを排出事業者へ返送します。排出事業者はこれを照合し、最終処分まで適正に行われたか確認する義務があります。マニフェストは法律で5年間保存が定められており、処理過程の透明性を確保する仕組みとなっています。
産業廃棄物の処理における事業者の役割
産業廃棄物の処理は、排出事業者・収集運搬業者・処分業者がそれぞれの役割を担い、適正に連携することで成り立ちます。
まず、排出事業者には、自社から出た廃棄物を法令に従って分別・保管する責任があります。原則として、事業活動に伴う廃棄物は排出事業者が自ら処理する必要がありますが、実務上、自社処理は困難であるため、他者への委託が認められます。委託した後も責任がなくなるわけではなく、最終処分まで適正に処理されたかを確認する義務があります。マニフェスト制度を通じて、処理の流れを追跡し、不法投棄や不適切な処理を防ぐのが重要です。
次に、収集運搬業者は、廃棄物を安全かつ確実に運搬する役割を担います。運搬時における廃棄物の飛散や流出を防ぎ、悪臭や騒音による周辺環境への影響を抑えながら、中間処理施設や最終処分場へと廃棄物を搬入します。
最後に、処分業者は、中間処理や最終処分の工程において、廃棄物を減量化・安定化・無害化して適正に処分する役割を担います。焼却や破砕、脱水などを通じて埋め立て量を減らすのみならず、選別によりリサイクル可能な資源を取り出し循環利用へとつなげます。
このように産業廃棄物の処理に関わる三者は、それぞれの役割を果たしながら責任を共有しています。排出事業者は委託先を慎重に選び、収集運搬業者や処分業者とともに法令遵守と環境保全を徹底することが重要です。
産業廃棄物の処理において排出事業者が注意すべきポイント
産業廃棄物は事業活動に伴って必ず発生するものであり、その処理については廃掃法で「排出事業者責任」が明確に規定されています。ここでは、排出事業者として特に注意すべきポイントを整理します。
まず重要なのは、廃棄物の正確な分別です。事業活動に伴う廃棄物が、一般廃棄物と産業廃棄物のどちらに該当するかを判別し、種類(品目)ごとに分別する必要があります誤った分別は不適正処理や事故につながり、重大な責任を問われるおそれがあります。加えて、廃棄物の性質や状態に応じた適切な保管も不可欠です。保管場所においては、廃棄物の飛散や流出、悪臭や害虫の発生を防止したうえで、必要な掲示を行わなければなりません。
次に、処理を委託する業者の選定です。収集運搬業や処分業の許可を有することを大前提として、過去の実績や現状の管理体制を確認します。委託先の不適正処理が発覚した場合でも、排出事業者責任に大元の責任があるため、信頼できる業者を慎重に選定する必要があります。委託を行うには、事前に必要事項を網羅した契約書を書面で締結しなければなりません。
また、マニフェスト制度の適切な運用も欠かせません。産業廃棄物の処理の流れを記録する仕組みにより、排出から最終処分までの状況を追跡できます。交付したマニフェストの返送状況を必ず確認し、処理が完了していない場合は速やかに状況を是正し、管轄自治体へ報告する必要があります。特に、危険度の高い特別管理産業廃棄物については、短期間での確認が義務付けられており、注意が求められます。
さらに、年間の排出量が多い事業者は「多量排出事業者」として処理計画の策定や報告が義務付けられています。これを怠ると行政指導や罰則の対象となるため、計画的な管理体制を整えることが重要です。
産業廃棄物に関する法規制
産業廃棄物は、事業活動によって発生する廃棄物のうち法令で定められた20種類を指します。代表的なものには燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類などがあり、中でも有害性が高いものは「特別管理産業廃棄物」としてより厳格に規制されます。これらを適切に処理することは、環境保全や公衆衛生の維持に直結するため、関連法規制の理解と遵守が不可欠です。
最も基本となるのが「廃掃法」です。廃棄物の発生抑制や適正処理を目的とし、排出事業者に最終処分までの責任を課しています。排出事業者は廃棄物を適切に分別・保管し、処理を外部に委託する場合も、委託先の許可や処理状況を確認しなければなりません。不適正処理や不法投棄があった場合、委託先だけでなく排出事業者も責任を問われる仕組みです。
このほか「土壌汚染対策法」や「水質汚濁防止法」等も考慮すべき法令です。有害物質を含む廃棄物が土壌や水域に混入すれば、環境や人の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があり、これらの法令に違反するリスクがあります。。
加えて、各都道府県や市区町村は独自の条例を設けており、国の基準よりも厳しい規制を課している場合もあります。排出事業者は管轄自治体の条例内容についても併せて確認し、遵守することが求められます。
産業廃棄物の適切な処理の重要性
排出事業者は「廃棄物処理法」に基づき、自らの責任で適切に処理を行う義務があります。たとえ委託先業者に処理を任せても、その処理が不適正であった場合には排出事業者も法的責任を問われるため、信頼できる許可業者との契約や処理状況の確認が欠かせません。
処理の流れは大きく「分別」「保管」「収集運搬」「中間処理」「最終処分」に分けられます。発生源での分別により廃棄物量が減少し、処理コストの削減にもつながります。適切な保管により飛散や悪臭を防ぎ、収集運搬は許可を持つ業者が安全に行います。
中間処理では、焼却・脱水・破砕などの処理によって廃棄物の減量化や安定化が進められるほか、選別によって再利用可能な資源が選り分けられます。最終処分として埋立が行われますが、最終処分場の残余容量は限られており、適正処理による廃棄物削減は喫緊の課題です。
このように、産業廃棄物の適正処理は環境負荷の低減、資源の循環利用、企業の社会的信頼確保に直結する重要な活動です。単に法令遵守にとどまらず、企業経営の持続性や社会的責任を果たす上でも不可欠な取り組みといえるでしょう。
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