中間処理と最終処分の違いを徹底解説|産業廃棄物処理の仕組みと全体の流れ
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産業廃棄物処理の全体の流れ
産業廃棄物は、家庭ごみのように自治体が一括で回収・処理してくれるものではなく、排出事業者が責任を持って適正に処理しなければなりません。その流れは大きく「分別・保管」「収集・運搬」「中間処理」「最終処分(再生・埋立)」の4段階に整理できます。
最初の段階は排出事業者による分別と保管です。廃棄物処理法では20種類の産業廃棄物が定められており、種類ごとに正確に分別することが求められます。複数種類の廃棄物が混在し分別が困難な「混合廃棄物」の場合も適切に管理し、飛散や流出を防ぐために囲いや掲示を行うなど、基準に沿った保管が必要です。
次に収集・運搬です。許可を受けた収集運搬業者に、産業廃棄物の処理施設への運搬を委託します。収集運搬業許可は都道府県・政令市ごとに取得が必要であり、複数の地域にわたる場合には、積み込みと荷下ろしを行うそれぞれの自治体の許可を有していなければなりません。遠隔地への運搬や、業者が有する許可との兼ね合いによって積替保管施設を経由する場合がありますが、その際も飛散や悪臭を防ぐ措置が求められます。
続いて処理業者による中間処理が行われます。ここでは選別・破砕・焼却・脱水などの工程を経て、廃棄物を減量化・安定化し、再生利用や最終処分が可能な状態にします。中間処理が適切に行われることで、最終処分場に埋め立てる量を大幅に削減することができます。
最終処分は、処理を行うことで資源として利用できる状態にする「再生」と、最終処分場への「埋立」に大きく二分されます。「再生」には、廃プラスチックを衣類や建材の原料にするマテリアルリサイクル、化学的に分解して工業原料とするケミカルリサイクル、焼却熱を利用するサーマルリカバリーなどが挙げられます。
産業廃棄物の中間処理とは
代表的な方法として「焼却」「粉砕」「溶融」「脱水」が挙げられます。焼却は廃棄物を燃やして大幅に減量化し、熱エネルギー回収にも利用されます。粉砕は破砕機で細かく砕き、体積を減らすと同時に再資源化をしやすくします。溶融は高温で廃棄物を溶かし、スラグなど再利用可能な形に変える方法です。
脱水は汚泥などの含水率を下げ、重量と体積を軽減します。選別はリサイクルできる資源を取り出す工程で、廃棄物を効率的に循環させる基盤になります。さらに、廃酸や廃アルカリを中和して安定化させたり、PCBやダイオキシンを含む廃棄物を無害化することも中間処理の重要な役割です。
中間処理の流れは、まず搬入時に重量測定やマニフェストとの照合が行われ、処理可能か確認されます。その後、大型廃棄物は粗選別され、手作業による細かい分別を経て、それぞれの性質に応じた処理が施されます。処理施設では減量化と安定化を進め、最終的に埋立やリサイクルに適した状態に整えます。
中間処理の適正実施によって、最終処分場の延命や資源循環の推進が可能になります。逆に不適切な処理が行われれば、環境汚染や健康被害の原因となり、排出事業者や処理業者に法的責任が及ぶ場合もあります。そのため、排出事業者は委託先の許可状況や処理体制を必ず確認し、マニフェスト制度を通じて処理過程を把握することが不可欠です。
産業廃棄物の中間処理の分類
処理方法は廃棄物の種類や性質に応じて複数に分類され、それぞれに明確な目的があります。
代表的な方法の一つが「焼却」です。これは廃棄物を高温で燃やし、体積や重量を大幅に減らす処理で、熱エネルギーの回収や再利用にもつながります。「破砕・粉砕」は物理的に細かく砕いて減容化を図る方法で、金属やプラスチックなどを分別・リサイクルする際にも有効です。さらに「溶融」は高温で溶かしてスラグなどの資源に変換する処理で、焼却灰を道路資材に利用できる例もあります。
「脱水」は汚泥など含水率の高い廃棄物から水分を除去し、重量や体積を軽減する工程です。「選別」は、廃棄物をリサイクル可能な資源と最終処分が必要なものに分ける作業で、循環利用の要となります。また、「中和(安定化)」は酸性やアルカリ性の強い廃棄物を化学的に処理し、安全な状態に戻す工程です。加えて「無害化」はPCBやダイオキシン類などの有害物質を取り除き、環境や人体への影響を抑えるための処理を指します。
これらの処理を適切に組み合わせることで、最終処分場に送られる量を大幅に減らすことが可能になります。中間処理は単なる前処理ではなく、環境保全と資源循環を支える要であり、事業者が遵守すべき法的義務の一部です。不適切な処理は環境汚染や法的リスクを招くため、専門知識を持つ認可業者に委託し、マニフェスト制度を通じて処理の透明性を確保することが求められます。
産業廃棄物処理における中間処理の目的
中間処理の最大の目的は「減量化」です。例えば焼却や粉砕を行うことで体積や重量を大幅に減らし、最終処分場の延命につなげます。最終処分場は全国的に残余容量が限られており、中間処理を行わずに直接埋め立ててしまうと急速に逼迫する恐れがあります。したがって、処分場の負担を軽減する上でも減量化は不可欠です。
次に重要なのが「安全化」と「安定化」です。廃酸や廃アルカリなどはそのままでは環境や人体に有害ですが、中和処理を施すことで安定した状態に変えられます。また、PCBやダイオキシン類を含む廃棄物は無害化処理を経ることで、最終処分が可能になります。これにより、生活環境への悪影響を最小限に抑えることができます。
さらに「資源循環」も中間処理の目的の一つです。選別や溶融によって再利用可能な素材を取り出し、リサイクルにつなげることで資源の有効活用が進みます。廃プラスチックを原料として新しい製品に生まれ変わらせる例はその代表です。リサイクルの推進は企業の社会的責任にも直結し、持続可能な社会の実現に貢献します。
このように中間処理は、廃棄物の量を減らし、安全で環境に配慮した状態に整え、再資源化を可能にするという三つの大きな目的を持っています。
中間処理と最終処分の違いについて
廃棄物の処理工程のなかで、廃棄物に手を加えて形態や外観、内容等を変化させる「処分」のうち、埋立や再生といった処理の最終行程を「最終処分」、最終処分に至るまでの途中行程を「中間処理」と呼びます。あくまでも、相対的な概念です。
中間処理によって、再利用可能な資源を取り出したり、廃棄物の体積や重量を減らしたり、有害性を取り除くことが可能になります。選別によって有用な金属を選り分けたり、汚泥を脱水して運搬効率を高めたりすることがその一例です。つまり、中間処理の目的は「減量化」「安定化」「資源循環」にあり、最終処分をしやすくするための前段階であるといえます。
一方で最終処分とは、手を加えて資源として利用可能な状態にすること(再生)や、中間処理を経てこれ以上減量や再生ができない廃棄物を埋め立てることなど、廃棄物のライフサイクルにおける最終行程に該当します。管理型処分場で埋立処分を行ううえでは、廃棄物が環境中に有害物質を放出しないよう、遮水シートや浸出水処理設備を備えた施設が整備されます。
両者の違いをまとめると、中間処理は廃棄物を「変化させる工程」、最終処分は「残ったものを安全に収める工程」と表現できます。もし中間処理や再生が適切に行われなければ、最終処分場は短期間で満杯になり、環境リスクが増大します。逆に、中間処理や再生を適切に行うことで廃棄物の総量を大幅に削減できるだけでなく、製品原料として利用可能な再生資源を生み出すことにより、資源循環に寄与することが可能です。
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