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建築物石綿含有建材調査者講習受講ガイド|申込から修了までのステップと合格率のまとめ

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建築物石綿含有建材調査者講習とは?

石綿含有建材調査者講習は、労働安全衛生法に基づき、厚生労働省が定めるガイドラインに沿って実施される専門的な講習制度です。

2020年・2022年の石綿障害予防規則改正により、解体・改修工事の事前調査が義務化され、建築物における石綿(アスベスト)の有無を正確に判断できる人材の育成が急務となりました。

事業者は、建築物、工作物又は鋼製の船舶の解体又は改修(封じ込め又は囲い込みを含む)の作業(以下「解体等の作業」という。)を行うときは、石綿による労働者の健康障害を防止するため、
あらかじめ、当該建築物、工作物又は船舶(それぞれ解体等の作業に係る部分に限る)について、石綿等の使用の有無を調査しなければなりません(石綿障害予防規則石綿則第3条)。

大気汚染防止法及び石綿障害予防規則で定められた、建築物の解体・改修などの前に実施する調査については、建築物石綿含有建材調査者資格を有する者が行わなければなりません。

2023年10月1日以降は、同資格者による調査が義務付けられます。

建築物石綿含有建材調査者講習とは、厚生労働省・国土交通省・環境省告示第1号(平成30年10月23日)に基づく講習です。
講義を受講後、修了考査に合格した受講者には、修了証明書を交付し、調査者として資格が付与されます。

この講習を修了すると「建築物石綿含有建材調査者」として正式に認定され、
特定建築物(延べ床面積80㎡超)および一般建築物(80㎡以下)のいずれでも、法令に準拠した事前調査を実施できます。

講習は、座学・実習・修了試験で構成され、すべての過程を一定水準以上でクリアすることが必要です。

建築物石綿含有建材調査者の種類

建築物石綿含有建材調査者には下記3つの種類があります。

  1. 一般建築物石綿含有建材調査者
    一般建築物石綿含有建材調査者に係る講習を修了した者で、全ての建築物の調査を行う資格
  2. 一戸建て等石綿含有建材調査者
    一戸建て住宅および共同住宅の内部に限った調査(共有部分は除く)を行う資格
  3. 特定建築物石綿含有建材調査者
    一般建築物石綿含有建材調査者の講習内容に加えて、実地研修や、口述試験を追加したもので、全ての建築物の調査を行う資格

一般社団法人企業環境リスク解決機構では

建築物石綿含有建材調査者講習のうち、一般建築物石綿含有建材調査者講習及び一戸建て等石綿含有建材調査者講習の2種類の講習を開催します。

一般建築物石綿含有建材調査者講習の修了者は、住宅、店舗、工場などを含むすべての建築物について事前調査を実施することができます。

これに対し、一戸建て等建築物石綿含有建材調査者の修了者が事前調査を行えるのは一戸建ての住宅または共同住宅の住戸の内部
(住戸の専有部分を指し、共同住宅の住戸の内部以外の部分(ベランダ、廊下等共用部分)及び店舗併用住宅は含まれない)の解体・改修前の事前調査に限られます。

なお、一戸建て等建築物石綿含有建材調査者資格者が、一般建築物石綿含有建材調査者資格者となるための差分講習はありません。
「一戸建て」の有資格者が「一般」の資格が必要となった場合、「一般」の全課程を受講する必要があります。

 

石綿含有建材調査者講習の受講資格受講対象と受講要件

一般建築物石綿含有建材調査者講習の受講にあたっては、以下1~11のいずれかの受講資格を有していることが必要です。
受講には、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

受講資格区分資格保有による要件

01. 大卒(建築に関する課程を修了)+建築に関する実務経験2年以上
02. 短大卒(建築に関する課程を修了。(3年))+建築に関する実務経験3年以上
03.
短大卒又は高専卒(建築に関する課程を修了)+建築に関する実務経験4年以上
04.
高卒等(建築に関する課程を修了)+建築に関する実務経験7年以上
05.
学歴不問+建築に関する実務経験11年以上
06.
建築行政又は環境(石綿)行政の実務経験2年以上
07.
特化作業主任者+石綿調査の実務経験5年以上
08.
石綿作業主任者
09.
産業安全専門官もしくは労働衛生専門官、産業安全専門官もしくは労働衛生専門官であった者
10.
労働基準監督官の実務経験2年以上
11.
作業環境測定士+石綿調査の実務経験5年以上

  • 一級建築士
  • 二級建築士
  • 一級または二級建築施工管理技士 など

実務経験による要件

  • 建材調査・施工・管理などの業務に3年以上従事している方
    ※アスベスト関連業務に限らず、建材調査・選定・施工管理も対象。

注意点

  • 申込区分に応じて、実務経歴証明書や資格証明書、卒業証明書の提出が必要。
  • 区分1~4は、建築に関する正規の課程またはこれに相当する課程を修めて卒業した者に限る。
  • 審査基準は講習団体によって異なるため、事前確認が重要。
  • 定員制のため、都市部では早期満席となることもあります。

この受講要件は、講習を円滑かつ効果的に受けるための基礎知識と経験を備えていることを前提としています。
資格保有者の場合、既に建築物の構造や工事工程に関する理解があるため、石綿関連法令や調査手順を短期間で習得しやすい傾向があります。

一方、実務経験による受講の場合は、日常業務で培った現場感覚や建材に関する知識が活かされ、座学や実習の理解度を高めることが可能です。

いずれの場合も、申し込み時には経歴や資格を証明できる書類の提出が必須となり、書類不備や記載漏れは受講の遅れや不可の原因となるため注意が必要です。

また、人気の高い都市部の講習は早期に定員に達することが多く、日程の確保が難しい場合もあります。
受講を検討する際は、要件の適合確認と同時に、スケジュールや開催地を早めに押さえることが、受講までのスムーズな流れにつながります。

講習内容とスケジュール

講習は講習団体によって異なりますが、原則2日間で開催されることが多いです。

講習内容は前記の告示第1号法定で決められており、一般社団法人企業環境リスク解決機構では以下の日程にて構成しています。

1日目(座学)

  • 建築物石綿含有建材調査に関する基礎知識
  • 建築一般、図面の読み方、情報入手石綿関連法令(労働安全衛生法、石綿障害予防規則など)
  • 建築材料の分類と石綿含有傾向
  • 調査対象部位や建材の種類
  • 事前調査の流れと行政報告の義務
  • 元請事業者・発注者との役割分担

2日目(実習)

  • 現地調査の実際と留意点
  • 建築物石綿含有建材調査報告書の作成
  • 修了考査建材サンプルを用いた識別演習
  • 調査票の記載練習
  • サンプリング方法
  • 報告書作成演習

2日間のカリキュラムは、単に知識を詰め込むだけでなく、現場で即戦力として活躍できる実務力の習得を目的としています。

1日目の座学では、条文や規則の暗記にとどまらず、過去の事例や違反事案を交えて解説されるため、法律の背景や適用の判断基準を深く理解できます。

2日目の実習は特に重要で、実物サンプルを使って質感・色・加工方法などから石綿含有の可能性を見極めるスキルを磨きます。

また、調査票や報告書の記載演習では、行政への届出時に不備とされやすいポイントや、現場写真の撮影方法、分析機関への依頼手順も指導されます。
これらは試験対策だけでなく、修了後の業務の質を大きく左右するため、疑問点はその場で講師に質問し、理解を確実なものにしておくことが望まれます。

石綿含有建材調査者講習の修了要件と合格率

試験形式:講習団体によって異なります。マークシート(20~30問)
出題範囲:講習会で学んだ内容法令、建材知識、調査手順、報告書作成など
合格基準:60%以上 概ね正答率7割以上
合格率:80〜90%程度(講習団体によって異なります)

講義を集中して受けることで 事前配布のテキストを学習すれば十分合格可能な難易度です。

合格を確実にするためには、講習中の講義内容を丁寧に理解することが不可欠です。特に法令分野は条文や規則の数字・用語が細かく問われるため、
テキストの重要な部分該当箇所に付箋やマーカーで目印をつけておくと試験直前の確認に役立ちます。

また、建材識別のポイントやサンプリング手順は、講義中に配布される資料や写真を何度も見返して覚えることが重要です。
試験対策としては、配布資料の反復学習に加え、実務経験者の事例や講師が示した注意点を整理しておくと、理解がより深まります。
時間配分も合格には大切で、当日は1問あたりの解答時間を意識し、迷った問題は一旦飛ばして最後に見直す習慣をつけましょう。

修了証の交付を受けた後でもは、資格を長く活かすためにも、最新の法令改正や調査手法の更新情報を継続的に学び、現場での判断力と精度を維持することが求められます。

石綿含有建材調査者講習の流れから修了までのステップ

石綿含有建材調査者講習の申し込みは、講習団体の公式ウェブサイトからオンラインで行うのが一般的です。
専用フォームに必要事項を入力し、資格証や実務経歴証明書などの書類をPDFなどでアップロードします。

受講料の支払いはオンライン決済や銀行振込が中心で、これらが完了して初めて正式な受付となります。
不備があると受付が無効になる場合もありますので、丁寧に手続きすることが大切です。

申し込みが完了すると、案内が郵送またはメールで届き、指定された会場で2日間の講義を受講します。

初日は座学を中心に法令や建材の基礎知識、調査の手順などが講義され、事例を交えながら理解を深めていきます。

2日目は建材の判別演習や調査票の記載練習、報告書作成など、より実務に近い内容が扱われます。

講義の最後には修了試験があり、正答率60%以上7割程度が合格ラインとなっています。
試験に合格すると「修了証明書」が交付されますが、交付までには即日~2~3週間ほどかかることもあります。

そのため、すでに調査業務に従事する予定がある場合は、即日発行される団体を選ぶか、余裕を持ったスケジュールで受講する必要があります。

受講料は講習団体によって異なりますが、全国的には3万円台から54万円台が相場です。

企業が受講料を負担するケースもありますが、個人で申し込む際は計画的な準備が求められます。

石綿含有建材調査者講習は、単なる資格取得を目的とするものではなく、現場で適切な調査を行うために必須スキルと法令知識を身につける重要な機会です。

今後の法改正にも対応できるよう、常に最新の情報を学び続ける姿勢が求められます。

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