建設業に携わる方必見!化学物質管理者講習とは?保護具着用管理責任者も必要?受講の対象者とは?
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令和6年4月1日より、リスクアセスメント対象物の製造や取扱いを行う事業場において、「化学物質管理者」の選任が義務化となります。この記事では、
- なぜ、「化学物質管理者」「保護具着用管理責任者教育」が必要になったのか?
- 誰が受講の対象なのか?
- どのように取得すればよいのか?
といった「化学物質管理者」「保護具着用管理責任者教育」に関するよくある疑問を取り上げ、解説していきます。
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化学物質管理者の選任と要件・職務
化学物質管理者とは?
化学物質を原因とする労働災害を防止するため労働安全衛生規則等の一部が改正(令和5年4月)され、新たな化学物質規制の制度が導入されました。
この改正により、化学物質規制は自律的な管理を基軸とする規制となり、事業者は法を遵守して化学物質に対する管理体制を強化することが求められ、リスクアセスメント対象物を製造、取扱い、または譲渡提供をする事業場において、事業場における化学物質の管理に係る技術的事項を管理する「化学物質管理者」の選任が義務付けられました。(労働安全衛生規則第12条の5)
化学物質の製造を行わず取り扱うだけの事業場において、選任できる化学物質管理者として決まった要件は現時点ではありません。しかし、危険性の高い物質を扱うことから専門的な講習の受講が推奨されています。
化学物質管理者の職務としては主に以下の6つがあげられます。
- リスクアセスメント(RA)の実施
- RA結果に基づく措置の実施
- 労働災害が発生した場合の対応
- RA結果の記録・保存、労働者への周知
- 措置が実施されていることの確認、ばく露状況や作業の記録
- 労働者への周知・教育
取り扱い事業場における化学物質管理者の講習は、1日で実施されます。
保護具着用管理責任者の選任と要件・職務
保護具着用管理責任者とは
リスクアセスメントに基づく措置として労働者に保護具を使用させる事業場において、有効な保護具の選択、保護具の保守管理その他保護具に係る業務を担当する「保護具着用管理責任者」の選任が義務付けられました。
選任の要件については、例えば特化則の作業主任者など、化学物質にかかわる保護具の取り扱いに関する知識を持っている方を選任できます。
※石綿の作業主任者は選任することができません。これは石綿が粉じんであり、化学物質の保護具着用とは規定が異なるためです。
ただし資格を持っていても、保護具着用管理責任者の教育を受けていることが望ましいとされています。
保護具着用管理責任者の職務は以下のとおりです。
- 保護具の適正な選択
- 労働者の保護具の適正な使用
- 保護具の保守管理
保護具着用管理責任者の講習は1日で実施されます。
2つの講習がスタートした背景
では、今回なぜこのような講習会がスタートしたのでしょうか?
化学物質管理者講習と保護具着用管理責任者教育がスタートした背景には、化学物質規制の考え方が「事業者による自律的な管理」を基軸にした法規制の方針転換が影響しています。
化学物質は、取り扱いを誤れば人体に有害性がありますが、それぞれ優れた性質を持っています。強い有害性が認められない限り、使用を禁止することは難しいものです。また事業形態により取り扱いの状況も異なるため統一した規制をかけることも現実的ではありません。
もともと化学物質による労働災害は多く発生していました。これまでの規制手法は、有害性が高く労災発生リスクが高い特定の化学物質を選定し、個別に作業基準などを定めていました。しかしながら、技術の発展とともに新しい化学物質がふえ、また有害性が不明確な化学物質が使用されるケースがでてきており、これまでの規制手法で抑えられてきた労災がそれ以上減少することはなく、限界が来ているのが実情です。
そこで化学物質は有害性・危険性があるものということを理解したうえで、それぞれの事業者の使用状況にも合わせて、自主的に取り扱い方を考える管理方法へと変わりました。
いわゆるリスクアセスメントの考え方です。規制があるから守るのではなく、リスクアセスメントの考え方を基軸にした自律的な管理が求められています。
リスクアセスメントの対象は3000種以上になる見込み
有害性が明らかになっている物質はリスクアセスメント対象物として、SDSの提供がすでに義務付けられています。リスクアセスメントを行うにあたって、化学物質管理者の選任の義務化が令和6年4月よりスタートしています。
またリスクアセスメントの結果、保護具を使用する事が決まれば、保護具着用管理責任者を選任することも、同じく令和6年4月より義務化となりました。
リスクアセスメントの対象物質は今後約3000物質にまで増えると見込まれています。
建設工事の現場においても一般的に使われている塗料やシーラー、接着剤の多くも対象物となっています。
化学物質は関係ないと思っている方も多いかもしれませんが、普段使っている材料が実は対象物だったということも多く、必ず一人は化学物質管理者と保護具着用管理責任者が企業にいることが望ましいといえます。
結論:化学物質管理者講習と保護具着用管理責任者教育は事業場から1名は受講した方が良い
では、対象となる各企業は、どのように資格取得を進めていけば良いのか?というと、結論、化学物質管理者講習と保護具着用管理責任者教育は事業場から1名は受講した方が良い、と言えるでしょう。
化学物質管理者講習
・SDSが提供される製品を業務上使用する場合、事業場ごとに必要となる
※製造事業者でなければ選任する者の要件はないが、職務を考えれば受講が必要
保護具着用管理責任者教育
・化学物質管理者がリスクアセスメントを行い、保護具を使用すると決定したら、事業場ごとに必要となる
※通知で定められた要件を満たす者(特化則作業主任者など)が不在なら必須
(通知で定められた要件を満たす者でも、受講が望ましい)
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