アスベスト分析結果報告書は何に使う?内容・依頼手順・注意点をわかりやすく解説
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アスベスト分析結果報告書とは?役割と必要性
アスベスト分析結果報告書とは、建材にアスベストが含まれているかどうか、科学的根拠に基づいて分析した結果を記載した報告書です。アスベスト分析結果報告書は事前調査結果を判断するうえでの重要な根拠であり、解体や改修工事を安全かつ適法に進めるための判断材料として重要な役割を担います。
アスベストは、過去に多くの建築物で使用されてきましたが、現在ではアスベストの粉じん吸引による健康被害のリスクが明らかになっています。そのため、解体・改修工事の前には事前調査が義務付けられており、書面調査や目視調査で判断できない場合には分析調査が実施されます。この分析結果を正式に示すものが、アスベスト分析結果報告書です。
報告書の最大の役割は、事前調査結果の根拠を客観的に証明する点にあります。大気汚染防止法や石綿障害予防規則では、事前調査結果の記録と保存が求められており、事前調査の判断根拠書類として分析結果報告書とともに保存が必要です。必要事項が欠けた報告書では、事前調査が不十分とみなされるおそれがあり、工事の遅延や追加対応につながります。
また、工事の安全管理においても報告書は欠かせません。アスベストの有無や種類、含有状況が明確になることで、適切な飛散防止対策や作業方法を選定できます。これにより、作業員や周辺住民への健康被害リスクを抑えることが可能になります。
さらに、分析結果報告書はリスク回避と説明責任の面でも重要です。後になってアスベストの見落としが判明した場合、追加費用や損害賠償、企業の信頼低下につながる可能性があります。正確で分かりやすい報告書があれば、施主や関係者、近隣住民への説明資料としても活用でき、トラブル防止に役立ちます。
アスベスト分析結果報告書の主な記載内容
まず記載されるのが、基本情報です。ここには試料の受付日や分析期間、試料名称、採取場所などが記されます。複数箇所から検体を採取している場合、どの建材がどの結果に対応するのかを正確に確認するため、この情報は欠かせません。また、分析方法として日本産業規格であるJIS A 1481に基づく手法が明示されていることも重要です。これにより、分析が公定法に沿って実施されたことが確認できます。
次に最も重要なのが試験結果です。ここでは、アスベストが検出されたか、不検出であったかが明確に示されます。建材が複数の層で構成されている場合は、層ごとの材質や色調が整理され、どの部分にアスベストが含まれているかが分かるようになっている、「層別分析」を行う場合もあります。定量分析を行った場合には、含有率が記載され、法令上の基準値を超えているかどうかの判断に用いられます。定性分析のみを行った場合でも含有率の目安を記載することもありますが、あくまでも目安としての記載であることに注意が必要です。
報告書には、詳細情報として検出されたアスベストの種類や、分析の裏付けとなる顕微鏡写真が添付されることがあります。クリソタイルなど具体的な種類が明記されていることで、今後の対策内容を検討しやすくなります。写真の添付は、分析結果の信頼性を高める要素です。
さらに、分析者の氏名や資格、所属、発行日なども記載されます。これらは報告書の信頼性を担保する要素であり、行政提出や保存の際に重要となります。
アスベスト分析の依頼方法について
アスベストの分析調査を実施しようと思った場合、最初に行うべきことは、依頼先の選定です。アスベスト分析は、専門の分析機関や有資格者が在籍する事業者に依頼する必要があります。石綿分析に関する資格や実績が確認できるか、過去の対応事例が公開されているかを確認すると安心です。費用だけで判断せず、分析方法や報告書の内容が法令やJIS規格に沿っているかを事前に確認することが重要です。
次に、依頼前の準備として建物情報を整理します。建築年、構造、使用されている可能性のある建材、調査したい箇所を把握しておくことで、見積りや調査範囲のすり合わせがスムーズになります。
準備が整ったら、問い合わせや見積り依頼を行います。電話やメール、オンラインフォームを利用して相談し、調査範囲、分析方法、費用、納期の目安を確認します。見積りの内訳が明確で、追加費用の有無が説明されているかも重要な判断材料です。
その後、現地で試料採取が行われます。試料採取は、飛散防止に配慮した方法で実施され、有資格者が採取箇所を選定し、対応することが前提となります。採取された試料は分析機関に送付され、定性分析や必要に応じて定量分析が実施されます。
分析が完了すると、アスベスト分析結果報告書が提出されます。この報告書には、採取箇所、分析方法、含有の有無や種類、含有率などが記載され、工事計画や行政への届出の根拠資料として使用されます。
アスベスト分析結果報告書の活用方法
解体前に作成されたアスベスト分析結果報告書を確認することで、対象建材にアスベストが含まれているかを正確に把握できます。含有が確認された場合は、湿潤化や隔離など、飛散防止を前提とした施工計画を立てる必要があります。報告書はその判断根拠となり、作業員の安全確保や周辺環境への影響低減に直結します。
次に、改修工事での活用が挙げられます。リフォームや部分的な改修であっても、対象箇所にアスベスト含有建材が存在する可能性があります。報告書を基に施工範囲を明確にすることで、不要な解体や想定外の飛散リスクを避けることができます。また、事前に対応内容が確定するため、追加工事や費用増加のリスクも抑えられます。
行政手続きへの活用も重要です。石綿障害予防規則や大気汚染防止法に基づき、改修工事や解体工事をする場合には、施工前に事前調査を行い、結果の記録や報告が必要となります。分析結果報告書は、事前調査結果記録に添付する根拠資料として使用され、法令遵守を証明する役割を果たします。適切に作成された報告書があることで、指摘や是正対応を求められるリスクを低減できます。
さらに、建物の売買や相続の場面でも活用できます。建物に関するアスベストの有無を客観的に示す資料として提示できるため、買主や関係者との認識のずれを防ぐことができます。将来的な紛争防止の観点からも、分析結果報告書を保管しておく意義は大きいです。
アスベスト分析結果報告書を依頼する際の注意点
まず注意すべき点は、分析を行う者が適切な資格を有しているかどうかです。アスベスト分析は有資格者による実施が前提となっており、資格の有無は分析精度だけでなく、報告書の有効性にも直結します。資格の記載がなく、分析者の氏名や所属が不明確な報告書は、根拠書類として不十分となるおそれがあります。
次に確認すべきは、報告書に記載される内容の網羅性です。試料の採取日や採取箇所、建材の名称、分析方法、判定結果、検出限界などが具体的に記載されているかを確認する必要があります。費用面においても注意が必要です。見積金額が極端に低い場合、報告書作成費や写真添付、層別分析などが別途費用として後から追加されるケースがあります。依頼前に、どこまでが基本料金に含まれているのかを明確にし、追加費用が発生する条件を確認しておくことが重要です。
また、納品形式と納期も実務上の重要なポイントです。行政への届出や元請への提出では、PDF形式での即時提出が求められる場面があります。紙のみの納品や、速報対応ができない場合、工事全体のスケジュールに支障が出ることもあります。
さらに、報告書の構成が分かりやすいかどうかも軽視できません。内容が正確であっても、判定結果や対象箇所が読み取りにくい報告書では、施主や関係者への説明に時間を要し、不要なトラブルにつながることがあります。
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