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特別管理産業廃棄物とは?処理方法と守るべきルール、管理責任者の選任まで一気に理解

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特別管理産業廃棄物とは

特別管理産業廃棄物とは、通常の産業廃棄物の中でも特に爆発性・毒性・感染性といった強い危険性を持ち、人の健康や生活環境に深刻な影響を与えるおそれがあるものを指します。一般的な産業廃棄物と同じく分別・保管・運搬・処分の流れを踏むものの、処理過程全体でより厳格な管理が求められる点が大きな特徴です。

特別管理産業廃棄物の対応は通常よりも手間やコストがかかりますが、適正な分類・処理を徹底することが周辺環境の保全と社会的信頼の確保につながります。逆に、不適切な処理を行ってしまうと一般的な産業廃棄物以上に深刻な環境破壊や健康被害をもたらす可能性があり、排出事業者にとっては特に注意して取り扱わなければならない産業廃棄物といえるでしょう。

産業廃棄物と特別管理産業廃棄物の違い

一般的な産業廃棄物と特別管理産業廃棄物の大きな違いは、排出された廃棄物が人の健康や生活環境に与える影響の度合いにあります。産業廃棄物は事業活動から生じる廃棄物のうち、法律で定められた20種類に分類され、燃え殻や汚泥、廃油、廃酸、廃プラスチック類などが該当します。これらは通常の処理基準に従って分別・収集・運搬・処分されます。一方で、爆発性・毒性・感染性などの性質を持ち、より危険性が高いものが特別管理産業廃棄物にあたり、通常の産業廃棄物とは別に厳格な管理が必要とされています。

特別管理産業廃棄物には、引火性の廃油や強酸・強アルカリなどの腐食性廃液、医療機関から排出される感染性産業廃棄物、PCBや廃水銀等、そしてアスベストを含む廃材などが含まれます。これらは通常の廃棄物に比べて健康被害や環境リスクが大きいため、処理方法や保管方法が厳しく制限されており、法律上も特別な規定が設けられています。

こうした特別管理産業廃棄物を排出する事業場においては、事業場ごとに「特別管理産業廃棄物管理責任者」を配置することが義務付けられています。責任者は、排出状況の把握、処理計画の立案、委託業者の適正確認、マニフェストによる追跡管理などを行い、廃棄物が適切に処理されるよう監督します。資格や実務経験が必要となり、一般的な産業廃棄物の管理責任者よりも高い要件が課されている点が特徴です。

また、処理の流れにおいても違いが見られます。通常の産業廃棄物は分別・運搬・中間処理を経て再生や埋め立てなどがなされることが多いです。特別管理産業廃棄物も大枠においては同様ですが、処分の内容において例えば高濃度PCB廃棄物のプラズマ溶融分解法、廃石綿等の無害化処理のように限られた処理施設での特殊な処分を行う場合もあります。最終処分も遮断型という特殊な処分施設に限定される場合もあります。。さらに、年間50トン以上の特別管理産業廃棄物を排出する事業場から、PCB廃棄物以外の特別管理産業廃棄物を排出する場合には電子マニフェストの使用が義務付けられており、廃棄物の処理過程を電子的に記録・管理しなければなりません。

特別管理産業廃棄物の分類

分類としてまず挙げられるのは、引火性を有する揮発油や灯油、軽油などの廃油です。これらは発火の危険性が高く、専用の容器での保管や処理が必要です。次に、強い腐食性を持つ廃酸や廃アルカリがあり、これらはpH値によって判定され、通常の廃液処理よりも厳しい基準が求められます。

さらに、病院や診療所などから排出される感染性産業廃棄物も重要な区分です。血液の付着した器具や病理検体など、感染性病原体が含まれる可能性のある廃棄物は焼却や滅菌といった方法で確実に無害化する必要があります。

また、特定有害産業廃棄物としてPCBや水銀を含む廃棄物もあります。PCBはかつて電気工作物や塗料に利用されてきた物質で、強い毒性と残留性を持つため厳重な管理が欠かせません。水銀についても、体内に蓄積すると健康障害を引き起こす危険があり、排出時には特別な処理が必要です。

その他、鉱さいやばいじん、燃え殻など、重金属やダイオキシン類を一定濃度以上含むものも特別管理産業廃棄物に含まれます。そして、レベル1、レベル2の石綿(アスベスト)が廃棄物になったもの(廃石綿等)も重大な健康被害を引き起こすため、特別管理産業廃棄物に分類されています。。

特別管理産業廃棄物は、いずれも通常の産業廃棄物に比べて取り扱いに厳重な注意が必要です。どのような事業においても、排出が予想される廃棄物の性質を正しく理解し、法令に基づいた適切な方法で処理を進めることが欠かせません。

特別産業廃棄物の処分方法やルール

特別管理産業廃棄物は、爆発性・毒性・感染性などの危険性を持つため、通常の産業廃棄物よりも厳格な処分ルールが定められています。排出する建物所有者や元請業者は、廃棄物処理法に基づいて処理基準を遵守しなければならず、許可を受けた専門業者に運搬・処分を委託することが基本となります。事業場では、特別管理産業廃棄物管理責任者を選任し、排出状況や処理計画の把握、保管状況の確認などを行う体制が必要です。

特別管理産業廃棄物の処理方法には、自社での運搬と処分、業者への委託の二つがあります。自社で運搬する場合は、飛散や流出を防ぐ措置を施し、車両に「産業廃棄物運搬車両」であることを明示する義務があります。業者に委託する場合は、収集運搬業者と処分業者の双方に適切な特別管理産業廃棄物処理業許可があることを確認し、必ず書面契約を交わすことが必要です。その際、排出から最終処分までの流れを追跡できるよう、マニフェストを交付・管理します。特に年間50トン以上の特別管理産業廃棄物を排出する事業場からPCB廃棄物以外の特別管理産業廃棄物を排出する場合には、電子マニフェストの利用が義務化されています。

処理基準は大きく分けて四つあります。第一に「保管基準」として、飛散や流出を防ぐ容器や保管場所の確保が求められます。第二に「収集運搬基準」では、密閉や積載方法を守り、運搬中の事故を防ぐことが必須です。第三に「中間処理基準」では、特別管理産業廃棄物の種類に応じてプラズマ溶融分解や無害化処理などが規定されており、性状に応じた処理が行われます。最後に「埋立処分基準」として、特別管理産業廃棄物の種類により遮断型最終処分場、管理型最終処分場で処理することが義務付けられています。

これらの手順や基準は、排出事業者の責任で遵守すべきものであり、不適切な処理は行政処分や法的責任につながります。

特別管理産業廃棄物管理責任者の選任

特別管理産業廃棄物は、人の健康や環境に深刻な影響を及ぼす危険性を持つため、通常の産業廃棄物よりも厳格な取り扱いが求められます。そのため、事業所ごとに「特別管理産業廃棄物管理責任者」を選任することが廃棄物処理法で義務付けられています。

責任者になるには一定の資格や経験が必要です。例えば、感染性廃棄物を扱う場合には、医師や看護師、薬剤師などの医療系資格を持つ者、あるいは大学や専門機関で医学や薬学を修めた者が該当します。感染性以外の廃棄物を扱う場合には、理学・工学・農学系の学科を修了し、さらに2年以上の実務経験を有するなど、学歴と経験を組み合わせた要件が定められています。加えて、一定の知識を備えていると認められれば、公益法人などが主催する講習会を受講し修了することで資格を得ることも可能です。

重要なのは、事業者全体で一人を置けばよいのではなく、廃棄物を排出する事業場ごとに責任者を設置しなければならない点です。拠点が増えるほど責任者の人数も必要となるため、各事業所で適切に配置する体制づくりが不可欠です。責任者は、委託先業者の選定やマニフェストの運用確認といった実務も担うため、専門知識と現場での実行力の両方が求められます。

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