アスベスト分析に必要なサンプル量とは?建材別の目安と採取時の注意点を解説
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アスベスト分析におけるサンプル量とは?
アスベスト分析におけるサンプル量とは、定性分析や定量分析を正確に行うために必要となる建材試料の量を指します。事前調査において、採取量が不足すると分析が成立せず、再採取が必要となる場合があります。そのため、あらかじめ目安となるサンプル量を理解しておくことが重要です。
まず、分析目的による違いを押さえる必要があります。定性分析のみを行う場合、必要なサンプル量はおおむね約5gが目安とされています。一方、定性分析に加えて定量分析まで実施する場合は、前処理や再測定を行う可能性があるため、約10g程度つまり定性分析の倍量を採取することが求められます。分析依頼時に定量分析の可能性がある場合は、最初から倍量を採取しておくと作業の手戻りを防ぐことができます。
板状建材の場合は、材種や厚みによって採取サイズの目安が異なります。スレート、石膏ボード、岩綿吸音板、サイディング、ケイ酸カルシウム板など、厚みのある壁材や天井材では、おおよそ5㎝²程度が一つの目安とされています。繊維状素材は比重が小さく、見た目以上に重量が不足しやすいため、採取量には特に注意が必要です。
厚みが0.5cm以下の床材や仕上材では、10㎝²程度の面積を確保することが推奨されます。ビニル床タイル、長尺シート、巾木、壁紙、クッションフロア、防水シート、アスファルトルーフィングなどは、十分な面積を確保しなければ必要なサンプル量に達しない場合があります。粉末状や細かい欠片となった試料では、層構造の判別が困難になることがあります。そのため、可能な限り原形を保った状態で採取することが望まれます。
仕上塗材や吹付材、保温材、断熱材などの場合は、ペットボトルのキャップ1杯分程度を目安に採取します。ただし、定性分析法2(X線回折分析法・位相差分散顕微鏡法)で三箇所採取を行う場合は、採取箇所ごとに個別の袋に分けて梱包する必要があります。見た目や質感、層構造が異なる試料は同一検体として扱えないため、混在している場合は別試料扱いとなります。
建材別に見るアスベスト分析に必要なサンプル量の目安
吹付け材は材料組成が不均一になりやすく、昭和50年以降に施工されたものであっても、施工時期や施工業者の違いにより、アスベスト含有の有無が混在している場合があります。そのため、複数箇所の採取を前提とした調査が必要になります。床面積が3,000㎡未満の建物では原則として、三箇所以上の採取が必要になり、床面積が3,000㎡以上の場合は600㎡ごとに一箇所あたり、10cm³程度採取することが目安です。
耐火被覆材では、施工範囲を考慮し、奇数階と偶数階から各フロアを選び、三か所以上から一か所あたり10cm³程度を採取します。耐火被覆材の境界部には別の材料が使われている場合があるため、境界を含めた採取が必要です。
断熱材については種類ごとに異なります。屋根用折板裏の断熱材では三か所以上から一か所あたり100㎠程度、煙突用の断熱材では三か所以上から一か所あたり10㎝³程度が目安とされています。
保温材は配管や設備に使用されることが多く、下地まで貫通させて採取する必要があります。こちらも三か所以上から一か所あたり10cm³程度が基準となります。
成形板の場合は、表面のみを採取すると誤判定につながるおそれがあります。そのため、三か所から一か所あたり100cm³程度を採取し、化粧面を含めて全体が確認できるようにします。
アスベスト分析でサンプル量が重要とされる背景
アスベスト含有建材は、必ずしも均質に製造・施工されているとは限らず、施工時期や施工業者の違い、補修履歴などによって、同一部位であっても含有状況が異なることがあります。特に吹付け材や仕上塗材では、アスベストを含有する層と含有しない層が混在している場合があり、十分な量の試料採取をしなければ、実態を正しく反映した分析結果を得ることができません。
次に、層別分析の必要性が挙げられます。JIS A 1481-1に基づく定性分析では、建材を層ごとに分けて分析することが可能です。しかし、試料が極端に少量であったり、粉末状になっていたりすると、どの層にアスベストが含まれているのかを判別できなくなります。これは、工事計画や施工における除去範囲の判断に直接影響するため、分析上の重大な問題となります。
また、試料調整工程との関係も無視できません。アスベスト分析では、灰化や酸処理、浮遊沈降などの前処理を行い、アスベスト以外の成分を除去して検出しやすい状態にします。これらの工程では、一定量の試料が消費されるため、採取段階で量が少ないと、分析そのものが成立しない場合があります。定量分析を行う場合は、さらに多くの試料が必要となるため、最初から十分な量を確保しておくことが望ましいとされています。
法令対応の観点でも、試料 量は重要です。事前調査結果は、解体・改修工事の根拠資料として行政への報告や3年間の保存が義務付けられています。試料量不足による不確実な分析結果では、再調査を招く可能性があり、結果として、工期の遅延や追加費用の発生につながる可能性があります。
アスベスト分析用サンプル採取時の注意点
留意すべき点は、試料採取の作業が飛散リスクを伴う行為であることです。建材が乾燥した状態で切断・破砕すると、目に見えない石綿繊維が空気中に拡散するおそれがあります。そのため、採取時には必ず湿潤化等の飛散防止対策を行い、周囲の養生を徹底する必要があります。防じんマスクや手袋などの呼吸用保護具の着用も不可欠であり、無資格者が自己判断で採取する行為は避けなければなりません。
次に重要なのが、代表性を確保した採取です。アスベスト含有建材は必ずしも均一ではなく、同一部材であっても層や部位によって含有状況が異なる場合があります。仕上塗材や床材のように層構造を有する建材では、表面のみならず下地や接着剤まで含めた全層を採取しなければ、正確な分析結果は得られません。また、見た目や質感が異なる材料を混在させて採取すると、分析上は別試料として扱う必要が生じることがあり、結果として、再採取につながる可能性があります。
試料量の確保にも注意が必要です。定性分析に必要な量が確保されていない場合、層別分析や前処理が十分に行えず、分析結果の信頼性が低下します。さらに定量分析の実施まで想定する場合は、より多くの試料が必要となるため、あらかじめ分析目的に応じた適切な量を採取しておくことが望ましいとされています。
採取後の試料管理も見落とせません。採取した試料は飛散防止の観点から、チャック付き袋などを用いて二重に密閉し、採取場所や建材名を明確に記録したうえで分析機関へ提出します。これらの情報は分析結果報告書の作成や行政への報告における判断根拠となるため、不備がある場合には手続き上の問題が生じる恐れがあります。
アスベスト分析のサンプル量に関する依頼時のポイント
依頼時に明確にすべき点は、定性分析のみを実施するのか、定量分析まで想定しているのかという「分析の目的」です。定性分析では、アスベストが含まれているか否かを判断するため、比較的少量の試料でも対応可能な場合があります。一方で、定量分析まで求める場合は、前処理や複数工程で試料が消費されるため、定性分析のおおむね倍量程度を目安に採取しておく必要があります。分析目的を曖昧にしたまま依頼すると、追加採取が必要となり、工期や費用に影響するおそれがあります。
次に、建材の種類や形状を正確に伝えることも重要です。板状建材、厚みのある壁材、仕上塗材、断熱材などでは、必要なサンプル量や採取方法が異なります。特に繊維状素材は比重が小さく、見た目以上に試料量が不足しやすく、分析不能となるケースもあります。分析開始時に「十分な量を採取したつもりだったが不足していた」という事態を防ぐためにも、建材の性状を事前に分析機関へ共有しておくことが求められます。
また、梱包方法についての確認も依頼時の重要なポイントです。試料は飛散防止の観点から、チャック付き袋などを用いて二重に密閉することが基本とされています。三点採取を行う場合は、原則として各試料を個別に袋詰めしたうえで、まとめて二重梱包するなど、分析機関の指示に従う必要があります。異なる層や材質の試料が混在した状態で送付した場合、別試料として扱われ、再調整や追加費用が発生する可能性があります。
また、外観や質感、層構造が異なる試料は同一試料として扱えない点にも注意が必要です。依頼時にその認識がないと、分析結果と実態にずれが生じ、事前調査として不十分と判断されることがあります。
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