東京におけるアスベスト除去の現状と対応策
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アスベストは健康被害の恐れから現在は使用禁止となっています。
しかしながら、過去に建設された建築物等にはアスベストが使用されているものも数多く現存しており、解体工事、改修工事の際に飛散して健康被害を引き起こす可能性があります。
特に東京都は建築物の数も多く、不安を抱える方も少なくありません。
この記事では、制度や補助金、費用相場、分析調査業者選びのポイントなど、東京都内でアスベスト除去を検討する際に役立つ情報をわかりやすく解説します。
東京都のアスベスト関連規制と行政の取り組み
東京都では、アスベストによる健康被害を防ぐために、解体や改修工事に対する規制強化や支援制度を推進しています。
周辺住民や作業員の健康と環境の保全を両立させるべく、多方面で取り組みが進められています。
健康被害と規制強化の背景
アスベストは、かつてその耐熱性・耐摩耗性等から建材として広く使われてきましたが、微細な繊維を吸引することで中皮腫や肺がんを引き起こすことが判明し、
現在では使用が禁止されており、解体・改修工事の際の取扱いについても厳しく規制されています。
東京都では、こうした健康リスクを未然に防ぐため、法令で求められるアスベスト事前調査の実施などの対応に加え、「環境確保条例」により石綿を含有する吹付け材や保温材等が使用されている建築物等を解体、改造、補修する場合で、「使用されている石綿含有吹付け材の面積が15平方メートル以上」「建築物の延べ面積(建築物以外の工作物の場合には築造面積)が500平方メートル以上」のいずれかの条件に該当する場合には「石綿飛散防止方法等計画届出書」を管轄する市区町村等に提出することを義務付けています。
透明性向上と市民への情報公開
東京都は、アスベストに関する情報の透明性を高めるため、都有施設におけるアスベスト使用のフォロー調査等の結果や一般大気中のアスベスト濃度測定結果を公開し、工事関係者だけでなく一般市民にも情報を公開しています。
これにより、市民の理解や信頼が向上し、アスベスト問題への意識も高まっています。
また、港区など一部の市区町村では法令よりも長い期間アスベスト関連の掲示物を掲示したり、事前に近隣住民に説明を行うよう指導しており、
施工内容の透明性に関して法令以上の責任を施工側に求めている場合も見受けられます。
支援制度と安全な分析調査業者選びの重要性
除去工事は費用がかさむため、中小企業や個人事業主向けに補助金制度も用意されています。
信頼できるアスベスト除去業者を選ぶ際には、資格保有者の在籍や行政対応の実績などを確認することが大切です。
安全性確保と周囲への影響を抑えるためにも、専門知識と経験を持つアスベスト除去業者の選定が求められます。
東京でのアスベスト除去工事の特徴(建物構造・施工事例)
東京都内でのアスベスト除去工事は、都市特有の環境条件や建物の構造に応じた柔軟な対応が求められます。
安全性と効率性を両立させるためには、施工業者の高い専門性と現場対応力が重要です。
都市部特有の課題と施工上の工夫
都心では住宅地やオフィスビルが密集しているため、除去工事に伴う騒音や粉じんが近隣へ与える影響を最小限に抑える必要があります。
そのため、作業時間帯の工夫や防音・防じん機材の導入など、施工手順には高度な配慮が欠かせません。
また、交通量や人通りの多さから、周囲との調整力も施工品質に直結します。
老朽建物での事例と技術的対応
2006年9月以前に建てられた建物では、アスベストを含む建材が使用されている可能性があり、公立学校や歴史的建造物でも除去が進められています。
構造上の制約や保存方針に応じて、工法を柔軟に選定し、建物を損なわずに安全な除去を行うことが求められます。
アスベスト除去に求められる安全対策と業者選びの基準
アスベストの飛散防止には作業場内の隔離養生や集じん排気装置の設置、建材の湿潤化など、安全性を高める工夫が求められています。
こうした高水準な対応を行うためには、実績豊富で資格を持った業者の選定が重要です。
複数社から見積もりを取り、対応の丁寧さや技術力を見極めることが、安全な施工への第一歩となります。
アスベスト除去業者の選び方とチェックポイント
アスベスト除去を安全に行うためには、信頼できる業者の選定が欠かせません。
特に東京都のような都市部では、建物の構造や周辺環境に応じた柔軟な対応力と高い技術が求められます。
ここでは、業者選びの重要なチェックポイントを紹介します。
専門性と資格の確認が安心の第一歩
除去作業には高度な専門性が必要であり、「石綿作業主任者」や「建築物石綿含有建材調査者」などの国家資格を有しているかどうかが業者の信頼性を測る重要な指標となります。
2022年4月1日以降は、解体・改修工事において石綿含有建材の有無の事前調査結果の報告が義務付けられており、
無資格者による石綿事前調査や、石綿を含む建築物の解体や改修などの作業は法令違反となるため、資格の有無を必ず確認しましょう。
施工実績と周辺環境への配慮
東京都内のような密集地では、工事による騒音や粉じんが周囲に影響を与えるため、周辺環境への対応力が重要です。
大型建築物の解体工事、石綿除去工事や多数の現場での石綿除去工事の実績を持つ業者は、高い技術と現場対応力を備えており、信頼性の高さがうかがえます。
一方で、行政指導を受けた経歴のある業者も存在するため、過去の施工実績や評判を事前に確認することが大切です。
説明の透明性と複数社比較のすすめ
良い業者は、作業内容や使用機材、養生方法について明確な説明を行い、書面でも内容を提示します。そのような透明性の高い対応は、信頼できる業者の特徴の一つです。
なお、法令によりアスベスト事前調査は原則として必ず行う必要があるため、アスベスト事前調査費用を見積に含めていない業者に関しては特に注意が必要といえるでしょう。
また、複数社から見積もりを取り、対応の丁寧さや説明のわかりやすさを比較することで、自分に最適な業者を見極めやすくなります。
除去費用の相場と都内での補助金・助成金情報
アスベスト除去には一定の費用がかかりますが、東京都内では公的な補助制度を活用することで、経済的な負担を軽減することが可能です。
ここでは費用の目安と補助金の活用方法について解説します。
アスベスト除去費用の目安と変動要因
2025年現在、東京都内でアスベスト除去を行う場合の費用は、除去するアスベストの種類や施工面積、現場の状況によって大きく変わります。
もっとも費用が高くなるのは「レベル1」とされる吹付けアスベストの除去です。
これは飛散性が非常に高いため、安全対策や封じ込め作業が複雑になり、1㎡あたりでおよそ1万5,000円から最大8万5,000円ほどかかることがあります。
これに対して、比較的飛散しにくい「レベル3」の成形板(スレートなど)であれば、1㎡あたり4,000円から3万円程度と、抑えめの費用で対応できるケースが多いです。
施工面積も費用に大きく影響します。たとえば、300㎡未満の小規模現場では単価が高くなりやすく、逆に1,000㎡を超える大規模現場では、単価が抑えられる傾向があります。
また建物の構造や立地条件も影響し、作業が難しい場所では追加費用が発生する可能性があります。
費用の見積もりには、現地調査に基づいた正確な確認が欠かせません。
東京都および自治体の補助制度
東京都では、アスベスト除去の費用を一部支援する補助制度を用意しています。
たとえば、東京都環境局の制度では、調査費用の2分の1(上限20万円)、除去費の3分の1(上限100万円)まで補助されます。
さらに足立区や板橋区など、一部の区でも独自の助成制度があります。
いずれも工事開始前の事前申請が必要となるため、早めの準備が重要です。
補助金活用における業者のサポート
補助金を活用する際は、信頼できる業者のサポートが非常に役立ちます。
制度の説明や申請書類の準備を丁寧に対応してくれる業者を選べば、手続きの手間を大きく減らすことが可能です。
補助制度は費用軽減だけでなく、安全かつ確実な工事の実施にもつながるため、ぜひ積極的に活用を検討しましょう。
東京都内でアスベスト除去なら、確かな実績と資格を持つ企業を選ぼう
除去作業だけでなく、法的手続きや行政への報告、必要書類の整備まで一貫して対応できる企業でなければ、安全かつ確実な施工は実現できません。
アスベスト除去には、「石綿作業主任者」や「建築物石綿含有建材調査者」などの国家資格が必須です。
これらの資格を有するスタッフが在籍していることは、技術力と法令遵守の両面で信頼できる企業であることの証明になります。
東京都内では年間120,000件以上の届け出があるとされており、質の高いサービスがますます求められています。
信頼できる企業であれば、作業報告や調査結果の行政提出を代行し、届け出や補助金申請といった事務作業にも対応しています。
また、見積もり段階で必要書類や手順について丁寧に説明があるかどうか、スピーディかつ明朗な対応がなされるかどうかも、業者選びの重要な判断基準です。
アスベスト除去にあたっては、資格や対応実績、行政手続きへの精通度などを総合的に比較し、自分に合った専門業者を選ぶことが重要です。
まずは複数の業者に相談して、無料見積もりや事前調査を依頼し、納得のいく計画を立てることから始めましょう。
アスベスト問題に直面し、「何から手をつければよいのか分からない」と感じている法人様にこそ、まずはEMSにご相談いただきたいと考えています。
EMSでは、建築物石綿含有建材調査者などの有資格者が在籍し、法令に即した調査計画の立案から、書類作成・行政対応、除去工事に必要な手続き支援まで、中立的な立場から丁寧にご案内いたします。
また、必要に応じてアスベストONEの専用サービスを通じた一括サポートも可能です。
最初の一歩として、EMSへのご相談が安心・安全なアスベスト対応の出発点となります。