建築物石綿含有建材調査者講習とは?受講メリットから修了後の活用例まで解説
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建築物石綿含有建材調査者講習の概要と受講メリット
建築物石綿含有建材調査者講習とは建築物の解体・改修工事に先立ち、
石綿(アスベスト)を含む建材の有無を正確に調査できる人材を育成するための講習です。
2020年4月の法改正により、2023年10月1日以降は、
一部の例外を除き建築物の解体・改修等工事においては同講習を終了した有資格者(建築物石綿含有建材調査者)による石綿調査が義務化されました。
この講習は厚生労働省・国土交通省・環境省告示第1号(平成30年10月23日)で定めるカリキュラムに基づいて実施されており、
座学による講義と修了試験がセットになっています。
講義内容は石綿の基礎知識、法令・規則の理解、建材の見分け方、調査手順、サンプリング方法、
分析調査に関する基礎的な知識、報告書の作成方法など、現場実務に直結する内容が網羅されています。
講習の修了者には、建築物石綿含有建材調査者としての資格が認定され、実務において建築物の石綿事前調査等を行うことが可能となります。
なお、建築物石綿含有建材調査者の中でも複数の区分があり、一般建築物石綿含有建材調査者並びに特定建築物石綿含有建材調査者はすべての建築物の調査を行える一方、
一戸建て等石綿含有建材調査者が調査できるのは一戸建ての住宅及び共同住宅の専有部分に限られます。
建築物石綿含有建材調査者の資格は、解体工事やリフォーム工事を手がける建設業界はもとより、
家電の設置工事を行う家電量販店、原状回復工事や維持修繕工事を行う不動産業界、ケーブル等の設置工事を行う電気通信工事業など、
広い分野で必要とされており、取得によってキャリアの幅を大きく広げることができます。
石綿はかつて建材として広く使用されていたものの、人体への深刻な健康被害が明らかになったため、現在では製造・使用が全面禁止されています。
ただし、過去に建てられた多くの建築物には依然として石綿含有建材が残されており、それらの存在を事前に確認することが極めて重要です。
そのため建築物石綿含有建材調査者講習を修了しておくことは、法令順守の観点だけでなく、安全で円滑な工事を進めるためにも不可欠です。
また、調査者の有資格者数が不足している地域も多く、今後ますます需要が高まると予測されます。
特に、今後の建設・解体現場では、法的な責任や発注者からの信頼を得るためにも、
建築物石綿含有建材調査者資格の取得が企業全体の評価につながることもあります。
講習の受講は、現場技術者だけでなく、管理職や安全衛生担当者にとっても大きなメリットがあります。
建築物石綿含有建材調査者講習の受講対象者・受講要件
石綿(アスベスト)を含有する建材が現存する建築物においては、事前調査の適正性が工事全体の安全性や法令遵守に直結するため、
調査を担当する者には高度な専門性が求められます。
このため、この講習を受講するには、ある程度の知識や実務経験を持つことが前提と求められています。
前述の告示第1号では、建築物石綿含有建材調査者の受講資格要件として、以下のいずれかに該当することを求めています。
- 大卒(建築に関する課程を修了)+建築に関する実務経験2年以上
- 短大卒(建築に関する課程を修了。(3年))+建築に関する実務経験3年以上
- 短大卒又は高専卒(建築に関する課程を修了)+建築に関する実務経験4年以上
- 高卒等(建築に関する課程を修了)+建築に関する実務経験7年以上
- 学歴不問+建築に関する実務経験11年以上
- 建築行政又は環境(石綿)行政の実務経験2年以上
- 特化作業主任者+石綿調査の実務経験5年以上
- 石綿作業主任者
- 産業安全専門官もしくは労働衛生専門官、産業安全専門官もしくは労働衛生専門官であった者
- 労働基準監督官の実務経験2年以上
- 作業環境測定士+石綿調査の実務経験5年以上
特に、建築に関する学歴や実務要件が受講資格要件を満たさない方の場合、先に石綿作業主任者技能講習を修了し、
その後に建築物石綿含有建材調査者講習を受講することが一般的です。
石綿作業主任者技能講習は受講資格要件がなく誰でも受講可能であり、
なおかつ石綿調査において石綿含有建材があると判断された現場では有資格者の配置が必須となるため、実務上も受講のメリットが大きい講習となります。
なお、受講資格要件における建築に関する実務経験に関しては設計・施工などの業務が想定されており、
建築物に関わる内容であっても営業や事務などの場合には実務経験として判定されない可能性が高いことに注意が必要です。
建築物石綿含有建材調査者の講習カリキュラム
石綿調査者講習は、石綿(アスベスト)に関する適切な知識と技術を習得し、
建築物や工作物における石綿含有建材の調査を正確かつ安全に実施できる専門人材を育成することを目的とした講習です。
この講習を修了しなければ、原則として解体・改修工事における石綿の事前調査業務を行うことはできません。
法令に基づいた調査を行ううえで、この講習カリキュラムの内容をしっかりと理解することは極めて重要です。
講習カリキュラムは、資格の区分(一般建築物石綿含有建材調査者、特定建築物石綿含有建材調査者、一戸建て等石綿含有建材調査者)によっても異なります。
受講資格によっては一部の講座を免除することが可能ですが、一般建築物石綿含有建材調査者講習は座学11時間+修了試験、特定建築物石綿含有建材調査者講習はそれに加えて実地研修及び口述試験の実施、
一戸建て等石綿含有建材調査者講習は座学7時間+修了試験のカリキュラムを行うことが前述の告示第1号で定められています。
もっとも受講者の多い一般建築物石綿含有建材調査者講習では、通常2日間にわたって講習が実施され、修了試験は当日実施、後日実施など講習機関により異なっています。
告示第1号で規定される講義の内容は多岐にわたり、まずは石綿の基礎知識から始まります。
ここでは、石綿の種類や性質、過去に建材としてどのように使われていたのか、また人体への健康被害など、石綿に関する背景知識を学びます。
次に、建築物に使用されている建材の見分け方や、石綿含有建材の特徴を調査する手法について詳しく学習します。
調査対象の選定、目視確認のポイント、サンプリングの方法、そして調査時の安全管理など、現場での実務に即した内容が中心となっている点が特徴です。
さらに講習では、調査結果を記録・報告する方法についても解説されます。
これは、調査の結果は最終的に報告書として作成し、発注者等に報告することが義務付けられているためです。
このように講習のカリキュラムは、単なる知識の習得にとどまらず、実際の調査業務を円滑に進めるための実務スキルまでを網羅しています。
また講習の最後には修了試験が実施され、一定の基準を満たした者のみが修了証を交付されます。
つまり、講習の内容をしっかり理解し、適切に実践できることが資格取得の前提となるのです。
建築物石綿含有建材調査者講習の修了試験の形式と合格率アップの対策法
石綿調査者講習を受講しただけでは、すぐに調査業務に従事できるわけではありません。
講習の最後に行われる修了試験に合格することが、正式に「建築物石綿含有建材調査者」として認定されるための必須条件です。
この修了試験では、講習中に学んだ内容が幅広く問われるため、しっかりとした準備が必要です。
修了試験の形式や内容は、告示第1号の中で規定されていないため各講習機関で異なります。
一般的にはマークシート式の出題が多いとされていますが、論述式の問題が出題される可能性も否定できません。
出題範囲は講義で扱った内容全体に及び、石綿の基礎知識、関連法規、建材の種類とその見分け方、調査方法、サンプリング手順、分析調査に関する基礎的な知識、
そして報告書の記載方法などが問われます。問題数は30問前後で、合格基準は正答率60%以上と規定されています。
合格率は決して低いわけではなく、毎回多くの受講者が修了していますが、講習の内容は専門性が高く、建築や解体の実務経験が浅い人にとっては難しく感じる部分もあります。
講習当日に集中して講義を受講することが大原則となりますが、不安がある方は事前に基礎的な建築知識や石綿に関する法令を予習しておくことが、合格への近道となります。
合格率を上げるためには、まず講師の説明を集中して聞き、出題されやすいポイントはメモを取るなどして押さえておくことが基本です。
また、講習実施機関が公開している過去問題などを活用するのも有効な手段です。
建築物石綿含有建材調査者講習修了後の実務活用例
建築物石綿含有建材調査者講習を修了すると、建築物の解体や改修における石綿含有建材の調査業務を正式に担うことが可能になります。
これは、2023年10月1日の規制強化により一部例外を除いた工事で建築物石綿含有建材調査者資格を持つ有資格者による調査が義務化されたことによるもので、修了者は建設業界において非常に重要な役割を果たしています。
また、建築物石綿含有建材調査者資格は解体業者や建設会社だけでなく、家電量販店や不動産会社の業務にも活用されています。
エアコンの設置やクロスの張り替えなど小規模な工事であっても原則として有資格者による調査が必要となることは変わりありません。
さらに、公共事業や大規模施設の改修プロジェクトにおいても、建築物石綿含有建材調査者の存在は欠かせません。国や地方自治体の公募する公共事業においては、
建築物石綿含有建材調査者の有資格者の存在が入札の条件となっていることも少なくありません。
加えて、企業の安全衛生管理部門で働く場合にも、建築物石綿含有建材調査者の資格は安全管理の強化に貢献します。














