【注意!】石綿による健康障害の有害性について
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新潟の保育園で十分な石綿対策を行わなかったなどとして、電気工事業者が指名停止された事が記憶に新しいですが、石綿対策をなぜ万全に行う必要があるのでしょうか。
それは、石綿による健康障害の有害性が非常に高いからです。
1 なぜ石綿は健康障害の有害性が高いのか
石綿は、ヒトの髪よりも非常に細く、肉眼では見ることができない極めて細い繊維です。
そのため、飛散すると空気中に浮遊しやすく、吸入されてヒトの肺胞に沈着しやすい特徴があります。
石綿繊維は丈夫で変化しにくい性質のため、肺の組織内に長く滞留することになります。
この体内に滞留した石綿が要因となって、肺の線維化やがんの一種である肺がん、中皮腫などの病気を引き起こすことがあります。
また飛散すると空気中に浮遊しやすい特徴があることから、石綿を扱う場所で働いていた人だけでなく、その家族や石綿関連の工場周辺に住んでいた人にも健康被害が及ぶ可能性がございます。
2 最新ニュース!わずか2ヶ月の作業で肺がんになることも
石綿による健康被害は、一般に石綿取扱作業に従事していた期間が長いほどリスクが高まりますが、直近ではわずか2ヶ月間の石綿作業従事期間であっても肺がんを発症し、労災認定された例が報道されています。
Yahoo!ニュースへの掲載内容:https://news.yahoo.co.jp/articles/f05a01fa8f4d49d8a803fbef5f9269c883457942
過去にも2ヶ月の石綿ばく露により発症した中皮腫で、労災認定を受けた事例があります。
神戸新聞への掲載内容:https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202212/0015891025.shtml
作業に従事した期間が短くても、健康被害のリスクがゼロになるわけではないといえます。
3 潜伏期間が長く、早期発見の難しい中皮腫
石綿が引き起こす疾病の中でも中皮腫はきわめて治療が難しく、少ないばく露量でも発症する病気です。潜伏期間が20~50年ときわめて長く、今日でも過去に石綿を吸引した方が発症することが少なくありません。
こちらは知らず知らずのうちに石綿を吸い込んでしまい、中皮腫を発症し、余命宣告を受けた男性のニュースになります。
Yahoo!ニュースへの掲載内容:https://news.yahoo.co.jp/articles/7c21a4e3ce6252571e73a7de0823597f4f3ae3ed
中皮腫はある程度進行するまでは無症状のことが多いと言われています。
さらに、潜伏期間が長い事から、早期発見が難しく、気づいたときには治療困難というパターンが多くあります。
4 短期間、小規模の石綿作業であってもしっかりした対策を!
厚労省によれば、短期間の低濃度ばく露における発がんの危険性については、不明な点が多いとされています。
このため、小規模・短期間の工事であっても石綿を吸引しないよう十分な注意が必要です。
事業者としては労働者の健康被害を防ぐため、飛散・ばく露防止対策を施し、6ヶ月以内ごとに石綿健康診断を受診させる必要があります。
まとめ
こちらは厚生労働省が出している「石綿に関するQ&A」です。
合わせてご確認いただき、石綿ばく露を防ぎ、意識を高め、石綿対応を続けていただければと存じます。