ニュースの概要

一件の解体工事がネットを騒がせています。

場所は東京都心の浜松町駅前での解体工事。道路に解体された建材が道路にはみ出すなどずさんな工事の様子を撮影した投稿が、大きな注目を集めています。
メディアでも取り上げられ、本件を扱った記事では、アスベスト（石綿）の被害を懸念する声も取り上げられています。

投稿された写真からは湿潤化、隔離養生などアスベスト飛散対策を行っている様子をうかがうことはできません。石綿含有建材が使用されていた場合、作業従事者や周辺住民の方の健康被害が発生する可能性があります。

静かな時限爆弾

アスベストは静かな時限爆弾と呼ばれることがあります。目に見えないほどの微細な繊維であることに加え、曝露してから疾病を発症するまでの潜伏期間が長いこともその理由です。

アスベストは一度粉じんとして飛散すると長時間堆積せずに空中に浮遊することが知られています。
隔離養生や湿潤化などの措置を講じていない場合、当日の風向きなどによって広い地域に粉じんが飛散する可能性もあります。

作業者のみならず、周辺住民の健康被害の防止のためにもアスベスト対策が重要であることの所以です。

本件の工事において石綿含有建材が存在したか否かはわかりませんが、存在した場合周辺住民、通行人など多くの方が吸引してしまった可能性があります。
工事においてアスベストの飛散の恐れがあると認められた場合、改善命令の発出や工事の一時停止が命じられる可能性があります。また事態が深刻な場合は責任者の送検や損害賠償等に発展する場合もあります。

「いのちを守るため」幾度も改正を重ねているアスベスト関係法令。実務者目線では複雑化しており、法令遵守には想像以上の工数がかかってしまっている…
そんなお悩み事をまるっと解決するため、株式会社EMSではアスベスト管理システム「UNI-PORT」の運営を行っております。

気になった方は下記フォームからぜひ資料請求をしてみてください！（無料お見積りも可能です）

工事におけるアスベスト被害を防ぐために

それでは、解体工事や改修工事における石綿の飛散を防ぐために何をすればよいでしょうか。

第一には、法令を遵守した工事を行うことが重要です。解体・改修工事におけるアスベスト対策については、主に労働安全衛生法石綿障害予防規則と大気汚染防止法で定められています。
両法令ともに2021年に改正施行され、アスベスト対応が大きく強化されました。

法令では着工前に有資格者（建築物石綿含有建材調査者）による石綿の事前調査が義務付けられています。また、事前調査により石綿含有建材があると判断された場合及びなしと断定できなかった場合には作業主任者の選任、湿潤化、養生、防塵マスクの着用などの基準を遵守して工事を行うことが求められています。

さらに、作業従事者及び周辺住民に見やすいように看板を掲示すること、一定規模以上の工事の場合は事前調査結果を着工前に行政に報告することなども必要になります。
これらは石綿の有無にかかわらず義務となります。そして、これらの法令基準を遵守して工事を行うことが石綿対策の基本となります。

ますます厳しくなるアスベストへの視線

今回の事案は、改めて解体・改修工事及びアスベストへの関心の高まりを示したものといえます。これに先立つ10/7に厚生労働省は石綿総合情報ポータルサイトを更新し、工事現場の近隣に住む方などに向けた石綿情報発信を行っています。

厚生労働省「石綿総合情報ポータルサイト」https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/person/

今後、アスベストに関する認識が広まっていくにつれ、発注者や周辺住民から関心はますます厳しいものとなることが予想されます。
本件のようなインターネット、メディアを通じた情報の拡散の他に、行政への通報やクレーム等も想定されます。

健康被害の発生や工事の中断等で大きな損害を出さないよう、事前調査の徹底や作業基準の順守、発注者や周辺住民への情報開示など法令を遵守したアスベスト対応を行うことが重要です。

アスベストの法令対応はUNI-PORTで

石綿管理システムUNI-PORTでは、事前調査結果の看板をはじめ発注者への説明書面、作業記録、完了報告などアスベスト対応に必要な法定書面がシステム上で抜け漏れなく作成できるほか、行政報告も簡単に行うことができます。

協力業者もふくめ累計5000社以上の導入実績があり、全国の解体・改修・維持修繕等の工事でご活用いただいております。

さらに、アスベストに関する法定資格「建築物石綿含有建材調査者」「工作物石綿事前調査者」「石綿作業主任者」の資格取得講習を関連団体の一般社団法人企業環境リスク解決機構で開催中。「石綿特別教育」も対応可能です。

アスベストの法令対応については、株式会社EMSにお問い合わせください。