バーミキュライトのアスベスト分析とは?必要なケース・分析方法・注意点を解説
- 最終更新日:
バーミキュライトとは?アスベストとの関係
バーミキュライトは、ケイ酸塩鉱物に分類される天然鉱物の一種で、日本語では「ひる石」とも呼ばれています。加熱処理を行うと内部の水分が膨張し、層状構造が大きく広がる性質を持つことから、軽量で多孔質な材料として利用されてきました。
焼成後のバーミキュライトは、保水性、断熱性、耐火性に優れ、園芸資材や建築材料、工業用途など幅広い分野で使用されています。
園芸分野では、培養土の改良材や発芽床材として使われ、建築分野では断熱材や耐火被覆材、吹付け仕上材として用いられた実績があります。
また、軽量で化学的に安定していることから、吸音材や緩衝材として利用されるケースもあります。
バーミキュライト自体は、アスベスト(石綿)とは異なる鉱物であり、本来は石綿を含有しない材料です。しかし、過去には一部の鉱床において、地質条件の影響によりアスベストと共存して産出した例がありました。
このため、採掘・流通の過程で、アスベストが混入したバーミキュライト製品が存在していたことが確認されています。
特に注意が必要なのは、古い建築物に使用されている吹付け材です。
吹付けバーミキュライトや吹付けパーライトの中には、アスベストを含有するものがあり、法令上は飛散性が高い建材(レベル1)として厳格な管理が求められます。
バーミキュライトにアスベスト分析が必要なケース
本来、バーミキュライト自体はアスベストを含まない鉱物ですが、過去に製造・施工された吹付け材の中には、不純物としてアスベストが混入していた例や、剥落防止を目的として意図的に添加されていた例が確認されています。
そのため、古い建築物に使用されている吹付けバーミキュライトについては、アスベスト分析が必要となるケースがあります。
特に注意すべきなのは、目視だけでは判別が難しい状況です。劣化した吹付けバーミキュライトの上から別の塗材が重ね塗りされている場合、表面上は異なる仕上材に見えることがあります。
また、剥落防止のためにシート状の材料で天井全体を覆う工法が用いられているケースでは、外観がビニルクロスのように見えるため、内部に吹付けバーミキュライトが存在していても見落とされやすくなります。
このような場合、書面調査による建築当初の設計図書や仕様書の確認が重要ですが、資料が残っていない建物も少なくありません。
書面による裏付けが取れない場合には、実際に建材を確認し、必要に応じて分析を行うことが求められます。
アスベストを含有する吹付けバーミキュライトは、法令上、飛散性が高い建材(レベル1)として扱われる可能性があります。
そのため、解体・改修前の事前調査において見落としが生じると、法令違反や健康被害につながるおそれが極めて大きいといえます。
すべての吹付けバーミキュライトにアスベストが含まれているわけではありませんが、施工年代からアスベスト使用が無いと断定できない場合には、有資格者による専門的な調査と分析により安全性を確認することが重要です。
バーミキュライトのアスベスト分析方法
バーミキュライトのアスベスト分析は、他のアスベスト含有建材と同様、目視だけでは判断できない点が特徴です。ロックウールやグラスウールなど、外観が似た材料も多く、色合いや質感だけでの判別は困難とされています。
そのため、みなし工事ではなくアスベストの有無を明確に判断するためには、分析をすることが必要となります。分析では建材から検体を採取し、専門的な手法によって含有の有無を確認します。
アスベスト分析に用いられるのが、JIS規格に基づく定性分析です。定性分析では、偏光顕微鏡法やX線回折法を用いて、検体中にアスベストが含まれているかどうかを判定します。吹付けバーミキュライトの場合、層構造を保った状態で検体を採取できれば、層ごとの判定が可能な分析方法が選択されることもあります。
定量分析は、アスベストが検出された場合に含有率を確認する目的で実施される分析です。ただし、工事の可否判断においては、定性分析による有無の確認が重視されるケースが多く、必ずしも定量分析が求められるわけではありません。分析方法の選定は、建材の状態や工事内容、発注者の意思に応じて慎重に行う必要があります。
なお、バーミキュライトを含む吹付け材の分析にあたっては、事前調査の一環として位置付けられ、資格を有する調査者が対応することが求められています。分析を行わずに判断がつかないまま工事を進める場合、当該建材は石綿含有とみなされ、石綿含有を前提とした飛散防止対策をとって工事することが必要となります。
バーミキュライト分析における注意点
吹付けバーミキュライトは、ロックウールやパーライトなど外観が似た材料と混同されやすく、色調や質感のみで材質を特定することは困難とされています。
特に、後年に上塗り材が施工されている場合や、幕天井工法などで覆われているケースでは、目視調査だけでは存在自体を見落とすおそれがあります。
次に、分析用検体の採取方法にも注意が必要です。吹付け材の場合、表層だけを削り取った粉状の試料では、正確な判定が難しくなります。
下地を含めた層構成を保った状態で採取できなければ、層ごとの判定や材質の確認ができないため、適切な分析につながらない可能性があります。剥離剤や溶剤で溶かされた材料も、分析には適さないとされています。
分析方法の選定も重要なポイントです。バーミキュライトが使用されている建材では、JIS規格に基づく定性分析が基本となり、偏光顕微鏡法などによりアスベストの有無を確認します。
分析の目的は含有の有無を明らかにすることであり、必ずしも含有率まで求める必要があるとは限りません。工事内容や法令上の位置付けを踏まえ、適切な方法を選択することが求められます。
一般的な石綿含有仕上塗材は吹付け工法で施工されたものを含めて比較的飛散性が低いとされるレベル3の石綿含有建材となっていますが、吹付けバーミキュライト及び吹付けパーライトは最も飛散性が高いとされるレベル1に該当します。石綿含有の際には特に厳重な対応が求められますので、慎重な判断を行いましょう。
バーミキュライトのアスベスト分析を依頼する際のポイント
吹付けバーミキュライトは、ロックウールやグラスウールなど外観が似ている材料と区別しにくく、色や質感、触感のみで材質を特定することは困難とされています。特に、経年劣化や上塗り補修が行われている場合、目視調査では正確な判断ができないケースがあります。
次に、建築年代の確認が重要です。バーミキュライトが使用されていた時期と、アスベストの使用規制が段階的に進められた時期を照らし合わせることで、含有リスクの有無を整理できます。ただし、年代情報だけで含有の有無を断定することはできないため、あくまで分析実施の判断材料として位置付ける必要があります。
分析を依頼する際には、検体採取の方法にも注意が必要です。吹付け材の場合、表面の粉状部分のみを採取すると、正確な分析につながらないことがあります。層構成を保った状態で採取されているか、溶剤や剥離剤による処理が行われていないかを確認することが、適切な分析結果を得るためのポイントとなります。
また、分析方法がJIS規格に基づいているかも確認が必要です。バーミキュライトのアスベスト分析では、定性分析により含有の有無を確認することが一般的であり、工事内容や法令上の扱いを踏まえた方法選定が求められます。














