【アスベスト事前調査費用】発注者の理解を得る石綿対応説明、どうすれば良い?【動画や具体例も】
- 投稿日:
- 最終更新日:
今、あらゆる工事に必須となったアスベスト(石綿)法令対応ですが、発生するコスト面を含め、発注者様への説明に困っていませんか?
「なかなか発注者様の理解を得られない」という声を多くいただき、一般社団法人企業環境リスク解決機構が、発注者様への説明用動画を制作・公開いたしました。
本コラムは、その動画の解説記事となります。
【本コラムを動画で!】
全国 業界最大級でアスベストの資格講習を行う一般社団法人CERSIでは、大切な命を守るため、工事発注者向けのアスベスト解説動画を公開しています。
※本Youtube動画および発注者向け資料は、どなた様も自由に使用していただけます。
【参考資料】
発注者向け資料_CERSI説明動画QR入りのみ改変
なぜ発注者への説明が難しいのか?
アスベストによる健康被害は、ほとんどの場合現場で作業にあたる作業員が当事者となります。
そのため、当事者である作業者の方々としてもアスベスト対策は必須ということになるのですが、あくまでも調査費用や対策費用といった「費用を出す」のは発注者様ですから、発注者様の理解を得られないとアスベスト対策が進められない、というジレンマがあります。
工事や作業をする際に、発注者様に理解をしていただくための説明をするにしても、
「どう説明して良いかわからない」
「法律が絡むので、難しい」
「説明の仕方を間違えると逆に不安にさせてしまうのでは?」
といった課題がありなかなか進められない、という施工業社様からのお声がよく上がっているのが現状です。
合計2億5280万円の損害賠償も。絶対に無視できないアスベスト対応
ですが、発注者様からの理解を得て、アスベスト対応を進めなければ、会社が従業員を守ることができなくなってしまいます。
アスベスト事前調査を始め、行政への電子報告(GビズID)・看板の設置・写真や書面での作業結果記録等の書類作成など、やらないといけないアスベスト法令対応は様々ありますが、これら全てにおいて適切な法令対応をしなければ、従業員やお客様の健康被害を招くリスクがあることはもちろん、企業や有資格者の送検や摘発、損害賠償にもつながりかねません。
一例ですが、建設現場でアスベストを吸い肺がん等を患ったとして、計2億5280万円の支払いを複数社に命じた判例もあり、アスベストの法令対応は必須となっています。
(日本経済新聞:建設現場で石綿、5社に2億5000万円賠償命令札幌地裁)
どのように説明すれば理解を得られやすい?
組織としてリフォームや解体、修繕工事をやる際に、発注者様の誤解を招かない説明が大切です。
そのためには、最低限の枠組みを理解して頂くということがポイントとなります。
POINT1 法律で全面使用禁止となっている
まずは、アスベストが2006年以降法律で全面使用禁止となっていることを伝え、今から建てられる建物物等には使われていない、という事実を伝えましょう。
ただ、それ以前に建てられた建物の建材にはアスベストは使用されているため、現在も建物等に多く含まれています。
この事実をお伝えし、工事前のアスベスト対策が必要であることをご理解いただきましょう。
アスベストの実態
次に、アスベストの有害性を始めとした実態について、お伝えしましょう。
工事等で建材に損傷を起こした際に空間中に飛散したアスベストを吸い込むことが、深刻な健康被害を引き起こす原因となります。
そのため、リフォーム・解体作業時には特に注意が必要となることをお伝えします。
日常生活での影響はないものの、リフォームや解体工事等でアスベストが飛散してしまうことをお伝えします。
工事でやるべきこと
では、工事では実際に何をすべきなのか?
「アスベスト有無の事前調査は、有資格者しか行えない」と法律で定められていること、専門知識を有した資格者による適切な調査により、アスベストを含む建材の有無を把握し、そのリスクに応じた対策を行うことで、現場での適切な対処が可能となることをお伝えします。
実際の施工時には、法令に基づきアスベストを含む建材の粉じんが飛散しないように配慮する必要があるため、作業時には飛散防止シートで覆ったり、法令上必要な項目を記載した看板の設置等、必要な対策の具体例を提示しましょう。
費用負担、工期延長の可能性へのご理解
以上の説明をした上で、調査/対策のための費用負担・工期延長の可能性へのご理解をいただきましょう。
また、住宅リフォーム等の工事で発注者が物件(現場)にいる場合は、もちろん発注者にも被害が及ぶ可能性が0ではないため、業者や立場を問わず、皆様にも関わる重要な問題であることをお伝えしましょう。
まとめ
上記の内容は、全て発注者向け説明動画で説明をしております。
いかがでしたか?
まずは説明をする際の入口の手段として発注者様に動画を見て頂いてから皆様の説明に戻って頂いたり、見積書をその後に出して頂く等、ぜひ社内に合う形で活用をして頂ければと思います。
工事の施工会社(元請け・下請け業社)だけではなく発注者様も、アスベストによるリスクを把握し、適切な対策を講じることは、命を守るための大切な取り組みとなります。
アスベスト法令を遵守できるシステム、UNI-PORTなら、行政への電子報告が一瞬で完了!看板や書類の自動作成も可能です。
適切な対応で、アスベストによる健康被害を防ぎましょう。