【2024年最新版】解体・改修工事に必要な石綿法令対応はこれだけ!
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2020年に、石綿(アスベスト)の飛散・ばく露防止のため、大気汚染防止法と石綿障害予防規則が改正され、規制が強化されました。
この規制強化により、リフォーム・解体業をメインとした企業・個人事業主への刑事罰・摘発の可能性があります。
この記事では、企業がどのように石綿法令対応をしていけば良いのか、わかりやすくまとめました。
石綿(アスベスト)とは?
石綿(アスベスト)とは、繊維状の鉱物で、当時はその汎用性・利便性から「奇跡の鉱物」とも呼ばれていました。
その繊維が極めて細いため、研磨機、切断機などの施設での使用や飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において所要の措置を行わないと石綿が飛散して人が吸入してしまうおそれがあります。以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていましたが、昭和50年に原則禁止されました。
その後も、スレート材、ブレーキライニングやブレーキパッド、防音材、断熱材、保温材などで使用されましたが、現在では、原則として製造等が禁止されています。(引用元:厚生労働省)
石綿法令対応に必要な対策とは?
リフォーム・改修・解体工事を行う場合、アスベストが含まれているかどうかを事前に調査し、含有が無いと確認できなければ飛散・ばく露防止対策が必要になります。
これは、周辺環境や労働者の健康を守ることを主な目的として決められた法令となります。
では、企業はどのような対策をしなければならないのでしょうか?
2020年の法改正の内容も含めて、やらなければならない事は8項目・13ステップにまとめられます。
住宅でも一般的に使用されているレベル3(吹付け材や断熱材などを除く)における対策を整理した、下記画像をご参照ください。
こちらは、下記5つを、法令遵守に則った形で簡潔にまとめた表となります。
- ・施工のどのタイミングで必要になる対応なのか?
・石綿の有無に関わらず必要な対応
・石綿がある場合に必要な対応
・大気汚染防止法と石綿障害予防規則のどちらのルールであるか
・誰が対応するのか
※石綿飛散・ばく露防止については大気汚染防止法と石綿障害予防規則、廃棄物については廃棄物処理法と、それぞれで罰則が規定されています。
レベル3かどうかに関わらず、事前調査が必要となる工事についてやらなければいけない対応を、下記に解説していきます。
調査・記録の保管・発注者へ説明
事前調査後にまず必要となるのは、事前調査を行った記録の作成です。「事前調査結果記録」という帳票で、3年間の保管義務も法律で定められています。
こちらの帳票を作成した後は、工事の発注者へ調査結果を説明しなければなりません。この際も、「事前調査結果説明書」という帳票が必要となり、「事前調査結果記録」同様、3年間の保管義務が法律で定められています。
発注者へ説明をし、サイン(確認)をもらってから、次の段階へと進みます。
電子報告
解体・改修工事の規模が、100万以上または延べ床面積80㎡以上の改修工事については、行政に対して電子報告を行っていただく必要があります。
電子報告は、Gbizという電子報告システムを使って、報告をしていくことになります。
(引用元:石綿事前調査結果報告システム)
作業計画
次に、作業方法や順序等を記載した「作業計画」を作成していただきます。
該当工事に下請け業者がいる場合は、さらにその計画について、「作業方法説明書」という帳票をもとに、下請け業者や社内で該当工事に関わる人員に、作業計画の内容を説明しなければなりません。
調査結果の掲示・備え付け
以上が、工事着工前にしなければならない対応となります。
ここからは、工事中に行わなければならない対応について説明いたします。
工事中に必要な対応は、大きく
調査結果の掲示(備え付け)と、適正な石綿の除去作業の2つの対応が必要です。
①調査結果の看板を現場に掲示
工事現場に、調査結果を明記した「石綿看板」の掲示が義務付けられています。
この看板は、石綿の有無に関わらず、必ず掲示をしなければなりません。
②飲食禁止・石綿作用など4点の掲示
飲食の禁止・石綿の作用について、4点を明記した掲示が必要となります。
石綿の除去
工事中は、石綿が「ある」または「あるとみなす」箇所について、適切に除去しなければなりません。
作業者は、きっちりマスク等の呼吸保護具を着用し、湿潤化した上で、可能な限り原型のまま除去を行う必要があります。
(引用元:石綿総合情報ポータルサイト)
石綿を含む産業廃棄物の適正な処理・管理
除去した石綿(産業廃棄物)については、産業廃棄物処理法に基づいて適正な処理管理をしていただく必要があります。
これらの、マスクを着用している様子や適正に処理を行っている現場の様子を、必ず写真で収めておかなくてはなりません。この後の、作業記録の作成に必要な情報となります。
作業記録の作成
ここまでは、工事中に必要な対応についてご説明いたしました。
ここからは、工事完了後に必要な対応について、ご説明いたします。
工事完了後は、「工事中に撮影した写真」を含めた「作業記録」・「特定粉じん排出等作業記録」の帳票を作成します。それぞれの帳票は3年間の補完が義務付けられております。
また、作業記録内に記載する「作業従事者ごとの記録(作業者名簿)」については、40年間の保管が義務付けられております。
発注者へ報告
工事が完了し、全ての帳票を作成し終えたタイミングで、「完了報告書」を作成し、そちらの報告書を基に、発注者へ該当工事についてどのような対応をしたか説明をしなければなりません。
こちらの「完了報告書」についても、3年間の保管が義務付けられています。
まとめ|石綿法令改正により、企業も個人事業主も対応が必要
以上、ここまで、石綿「あり」または「みなし」とした場合に必要な、石綿法令対応についてご説明いたしました。
これらの対応をしなければ、労働安全衛生法(石綿障害予防規則)または大気汚染防止法により、懲役または罰金刑が課されることになります。
現在、すでに全国で労働基準監督署の立ち入り調査が行われており、実際に書類送検となった企業も相次いでいます。
石綿を含む建材は、大量に一般的に使用されていることから、リフォームや解体を行う建設会社は、このすべてに対応できる体制を作らなければ、事業を行うことはできません。
作業記録の保管は、最長40年間にもなり、日々の管理も大変になってまいります。
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