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【事例紹介】通信機器設置工事における石綿違反事例について

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従来、石綿に関する違反が報道される際には、レベル1、2の石綿を含む解体工事や、大規模な改修工事が中心でした。

しかし、法規制の強化や社会の関心の高まりとともに、極めて小規模な工事でも石綿の違反事例が注目されるようになってきています。ここでは、2024年2月に発生した、新潟市の保育園における通信機器設置工事に伴う石綿の違反事例を紹介します。

※本コラムは「新潟日報デジタルプラス」の報道及び「新潟市こども未来部保育課」の報道発表資料に基づき作成しています。

新潟日報デジタルプラス:「新潟市北区の保育園でアスベスト飛散の可能性 通信機器などの設置工事実施、北区内の他の園でも同様の工事」2024年2月8日「保育園の工事でアスベスト飛散防止対策の徹底怠る 新潟市、東区の電気工事業者を指名停止」2024年22月22日

新潟市こども未来部保育課 報道発表資料:「市立保育園構内情報通信網設備整備工事におけるアスベスト飛散のおそれについて(お知らせ) 」2024年2月7日

  • 事例の概要

2024年2月4日、新潟市内の保育園で通信機器設置工事において、アスベスト含有建材の穴あけ作業を伴う、園舎内部の配線、通信機器の設置工事を実施。作業後に保育園職員が施工箇所の付近に白い粉のようなものが落ちていたことを確認。新潟市が施工業者(S社)に確認したところ、十分な石綿対策が取られていなかったことが判明しました。

  • 事例の影響は?

本件を受け、問題があった保育園とS社が同様の工事を行った市内4つの保育園は一時的に使用を中止、クリーニングが行われ、その間、近隣施設等で代替保育が行われました。また、S社は新潟市より3ヶ月の指名停止処分を受けました。

  • 事例から学ぶべきことは?

今回の事例から言えることは、3つあります。

・小規模工事での石綿対応の重要性

大規模な解体等の工事に限らず、本件のような配線・通信機器設置のための穴あけ、といった小規模な工事であっても、石綿に関して適切な対応ができていなければ大きな問題になるといえます。

・指名停止や損害賠償など、直接罰以外にも事業への影響がある

本件において、市は施工業者を3ヶ月の指名停止処分としています。また、今後代替保育に要した費用などの損害賠償を求められる可能性も考えられます。石綿法令に違反した場合、大気汚染防止法や労働安全衛生法に定められた直接の罰則以外にも、様々な形で事業への悪影響が発生するといえます。

・作業基準の順守の重要性

本件においてS社は十分な石綿対策を取らずに工事を行い、結果として現場に粉じんが落ちているという事態を招きました。石綿有、またはみなしの施工を行う場合では、石綿作業主任者の選任、養生・湿潤化、清掃など作業基準を順守して施工を行うことが重要といえます。

  • CERSI・EMS・ユニバースの石綿対策をご活用ください!

本件にみられるように、小規模工事であっても石綿対策を怠ると、周辺住民や事業者自身にとっても大きな問題となるといえます。このような事態を防ぐために、事業者としては石綿作業主任者や建築物石綿含有建材調査者など、知識を持った有資格者を各工事に配置できる体制を構築すること、作業基準を順守した作業を行い、それをきちんと記録することが求められます。

CERSI及び関連の株式会社EMS、株式会社ユニバースでは石綿法令に対応するための各種サービスを提供しております。

是非、石綿対策にお役立てください。